美容師がしてはいけない話題3つ

美容師がお客様と話す際に、話題に出すべきでないもの。

これが3つあるというのはわりと有名ですね。

まぁ…美容師に限らず、他の接客業でもそうなのかな? わかんないけど。

  • 政治
  • 宗教
  • スポーツ

自分個人としてはこのあたりをタブー視する必要はないんじゃないかと思いますが、

やっぱり人によっては非常にセンシティブなものであることも事実なのかなと。

これらを話題にするとお客様とのいらない対立を生む(恐れがある)として、

我々サイドから自主規制する傾向にありますね。

もちろんこっちが自主規制しても、お客様からがっつり振ってくる場合ありますけどね。

今回はそんな『してはいけない話題』のひとつに触れることとなります。

明日は選挙ですから。参議院選挙。

 

民主主義に”殉教者”はいらないけれど…

昨日、大変な事件が起きてしまいましたね。

安倍元首相が銃撃されて亡くなってしまうという。

日本だけでなく世界的な大事件。

あのような政治的テロがあってはならない、許されないのは言うまでもありません。

かつて安倍政権に反対する人々は『独裁』『アベ政治を許すな』と声を上げていましたが、

まさか『民主主義の殉教者』として世界中でその死を惜しまれることになろうとは…

彼らは本当に夢にも思ってなかったでしょうね。

苦々しく思ってる人…きっといますよね、そちら側には。

この全世界的に権威主義が幅を利かせ、民主主義国家も多くが分断の危機にある中で、

多国間協調と自由貿易、民主主義陣営の連帯を訴え続けて行動していた人。

それが安倍さんだったということを世界はきちんと見ていたということですね。

 

さて。

自分がここで勝手に書いてる『民主主義の殉教者』というフレーズ。

安倍さんは民主主義において最も重要な選挙というイベントの最中に凶弾に倒れてしまった。

その時点でもう”殉教者”という崇高な立ち位置に奉られることはほぼ決まりなのですが、

言論で戦うべき民主主義にあって、そもそも殉教者って出ちゃいけないはずなんですよね。

はずなんですけど、世界的に見て政治家はテロの最重要の対象にされてしまう残念な現実。

一般的に民主主義の栄える国は平和と繁栄を享受しているものと思いますが、

以前読んだ本でなされていた指摘をふと思い出したんです。

自分は建築が好きなので。建物の話になります。

皆さんもちょっと思い出してみてください。

日本の国会議事堂の屋根の形。

 

 

この…階段状に先細っていく独特の屋根。

日本古来の建築にはこのようなものはもちろんありません。

世界的に見ても国会議事堂はドーム屋根が多いもの。

日本古来のものでもなく、世界の主流でもないこの形のモチーフは何なのか。

これをとある人が雑誌で指摘していました。何の雑誌だったかな…。

それがこちら。

 

マウソロス霊廟。

古代オリエントの最末期にハリカルナッソスに建てられた、マウソロスさんのでっかいお墓。

日本語における『霊廟』の英訳である "mausoleum" の語源となった建物ですね。

国会議事堂が建てられた当時、この形は世界的に流行していたとも言われています。

だからシンプルに流行に乗っかっただけなんじゃないの?っていう。

 

が。

この時代って日本政治においては動乱の時でしたよね。

建設中に原敬暗殺事件と五・一五事件、二・二六事件まで起きてますから。

当初は中央塔はドーム屋根だったものが、結局マウソレウムの形になったのは、

政治家は「死を忘れるな(メメント・モリ)」という戒告なのではないか…と。

これを言っていた人、なんかすごーくいい線突いてる気がするんですよね…。

戦後日本となり、世界的に見ても平和な国となった今でも国会議事堂の頂点はこの形。

いかなる時代でも政治家は死を忘れるな、という過去からの無言の忠告なのでしょうか。

この建物で活躍した者が選挙中に暴漢に殺されてしまうというのは、

やっぱり殉教者という扱いが適切な気がします。

在任中の疑惑などが解明されていないもやっと感もありますし、

それは解明されるべきだったのでしょうが、もはやそこは問題ではなくなってしまいました。

民主主義と平和を信奉する世界中の人々にとっての殉教者。

安倍さんは撃たれて亡くなった時点で、そこに列せられることが確定したのだと思います。

 

みんな、選挙に行こう

民主主義は意思決定に時間がかかるんですよ。

権威主義体制のほうがよっぽど強力でスピーディーに動けるということ。

それを我々はこの数年ずっと目の当たりにしてきたわけです。

「選挙に行ったところで何も変わらない」

だから選挙に行かないって答えになる人が有権者のざっくり半分というこの日本。

それだったらいっそ開発独裁のほうがうまくいくんじゃないの、って気にもなりますよ。

昔の東南アジアみたいに。

政治は独裁で異論は認めず、経済成長と指導者層の懐への入金に全振りみたいなあの体制。

正直言ってちょっと魅力を感じる部分はあります。

失われた30年という停滞を打破できるならぶっちゃけそれもありなのか、っていう。

でもそれは…この分断と権威主義の時代にあって、その流れと戦ってきた日本を滅ぼすこと。

言い換えるならその流れを主導してきた安倍さんと、彼の考えに共鳴した世界の仲間たちを、

我々が大きく裏切ることになるのではないかと。

 

安倍政権はその長さに対してレガシーがない、みたいなこと言われてましたよね。

でも世界が再びブロック化していく中で『自由で開かれたインド太平洋』はひとつの軸ですよ。

これこそが安倍さんのレガシーなんじゃないですかね。

明日の選挙の結果次第では、おそらく日本は改憲に向けてついに舵を切るかもしれない。

もしそうなるのであれば、これは戦後日本政治の大きすぎる転換点。

その道筋を命と引き換えにつけたのが安倍さん…ってことになるかもしれない。

後世の人々はどのように評価するのでしょうか。

その後世の人々に、自由で平和な日本を引き継いでいくためにも。

民主主義の根幹たる選挙は必ず行われなければなりません。

行われるのですから、もちろん投票に行くことが大切なんですよ。

 

自由と平和は当たり前ではないということ。

当たり前にあったものが一瞬で壊されてしまうということ。

それを我々は今年ウクライナと、昨日の大和西大寺で知ることとなったわけです。

若者がまとまっても年寄りには数で勝てないという事実もあります。

ひろゆきが言ってましたよね、確か。

だとしても。

年寄りには勝てなくとも、我々はこの自由にモノが言える社会を守らなければならないんです。

権威主義と暴漢の生む恐怖に自由民主主義が負けてはいけないのですから。

 

みなさん。明日は投票に行きましょう。

 

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