こんにちは。

西宮・夙川にある「マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする」がコンセプトの

小さなプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。

 

  • スタイリングが難しい
  • 自分でやるとうまくセットできない

 

こうおっしゃるお客様の声はとても多いです。

なんで美容師がやるとうまくいくのに自分でやったらできないんだろう。

そういうお悩みに今回はお応えしていけたらなと思っております。

ちなみに学生の頃に4年ほどスーパーのレジでバイトしていたせいかはわかりませんが、

自分はスーパーが大好きです。本筋とは全然関係ない話ですけどね。

エンドの商品の積み方とか売り場のPOPとか…デザインを感じてすごく好きなんですよ。

お客様への訴求力を高めたいので今回のタイトル画像は割引シールっぽくなっております。

本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。

それではどうぞ。

選んでもらえるかは日頃の行いの答え合わせ

 

さっきも書いたのですが、スタイリングがうまくいかないというお客様の声。

とても多いんですよね。

このリンク先にあるアンケートにもある通りなのですが、結構な割合でおられます。

みなさん悩んでいらっしゃるんですよ。

「かわいい、きれい、かっこいい」が美容室帰りだけで、普段はそうならないってことに。

お客様を美しく、かっこよくするのが我々美容師のお仕事。

でも当然ながらお客様自身は美容師じゃないんですよ。普通はね。

だからそれが家に帰ってからも再現できないんじゃお客様側としてはお金払う意味がない。

高い料金払って有名サロンに行っても帰ってからは扱いにくかったり、いい仕上がりにならない。

そんで試しに近くの安い業務委託の美容室行ったら思ってたよりいい仕上がりだったりして。

「なーんだ、そんならこっちでいいじゃん」ってプチプラサロンにお客様が行ってしまう流れ。

こういうことってとても多いと思うんですよ。

 

低価格サロンが増えて一般の美容室や高級店は苦しいよー、って話はよく出ますね。

昔からある一般店や高級サロンは低価格の店を非難して悪く言いがちです。

「あんな安い店が増えるからお客様がそっちに流れて困る」って。

自分とこの大切なお客様が安い店ができたがばっかりに奪われている…という認識。

お店選びの基準が値段だけの人っていうのは確かにある程度は存在します。

そういう人が自店から流れて出て行くのは止めることができません。

探せば他に安い店なんていくらでもあるんですから。

あえてこんな言い方しますけど…そんな客なんて他にくれてやりゃいいんですよ。

どれだけ自店の価値を伝えても、客側の判断基準が『価値』じゃなくて『値段』なら無意味です。

その人たちは今の店より安い店を見つけたらそっちに流れる人たちです。

先日もQBハウスが料金を4月から1200円から1350円に値上げするというニュースがありました。

1000円カットの代名詞みたいなQBハウス…もう既に1000円じゃなかったんですね。

で、この値上げにさんざん文句垂れる勢がいるわけです。twitterとか見てると。

そういう人ほど『お客様は神様』って自ら堂々と公言するスタンスなのは笑っちゃいますけど…

「企業努力が足りない」「値上げしない良心的な店を見習え」「もう行かない」だの何だのと、

大したカネも出さないくせに偉そうにあれこれぶー垂れてやがるわけですよ。

実際に1350円カットのQBより安い店はあります。あるからそっちに流れるんです。

大型スーパーとかにもカラー専門店なんかが増えてますね。最後セルフでドライする店。

でもカットで言えばヘアーサロンIWASAKIですよ。

ヘアーサロンなのかヘアースタジオなのかよくわかりませんが、IWASAKIという格安チェーン店。

カット980円、平日サービスタイムなら690円という驚きのお値段。

一般店がどれだけお得なクーポンを作っても、ここと価格で勝負したら勝ち目はありません。

もちろんQBもIWASAKIも、働いているスタイリストさんは一生懸命にお仕事をなさっています。

安価な料金と決められた短い時間でお客様の髪を整えることに真剣な姿勢は尊敬しますし、

正しい利用目的に合致していたり、時間を最も重視するお客様に支持されているのもわかります。

ですがサロン選びの基準が価格だけの人が最後に流れ着くのはそういったお店です。

一般店にとってそういう客の失客は悪いことではありません。結構なことです。

 

本当に考えなきゃいけないのは…値段だけじゃない層のお客様のことですよ。

サロン選びの基準が値段以外にいろいろあって、そのバランスで判断されていらっしゃる方。

プチプラサロンより値段は高くても、他にきちんとした価値があるとお客様に思っていただけて、

その価値がお客様に伝わっていれば値段は高めでも「コスパがいいね」と判断していただけます。

この『価値』を美容師はお客様にきちんとお伝えしていたのか…って話です。

そのうちの一つに今回のお話、扱いやすさとかスタイリングももちろん含まれているわけですね。

どうだ俺すげえだろみたいな美容師いるじゃないですか。

どこそこの店出身だの、ここで修業しただの、なんかそんなような。

でもお客様が家帰って以降に「なんかちょっとなー」って思ったらそれはもう意味ないですよね。

美容師がどれだけすごい技術を持ってて、それで施術したところでですよ。

次に美容室行くまでの間にお客様が扱いにくかったら…そのすごい技術に価値はないんです。

その価値に価格が見合っているかどうか。

我々サービスを提供する側はお客様に厳しく判断されています。

ここに対してきちんと真剣に向き合ってお応えしていけるかどうかを考えないといけない。

商品にしろ技術にしろ、価格を掲げた上でお客様に選んでもらえて代金をお支払いいただくこと。

お客様が来ることは当たり前ではないんです。

美容師であれば、ものすごい数あるお店とスタイリストの中から選んでご来店してくださる。

それで施術をしてお代金をいただいて、次回またご予約を入れてくださる…の繰り返しですけども、

そのひとつひとつが日頃から向き合ってきた自分の仕事に対する答え合わせなんですよね。

だからこそわざわざ当店を選んで来てくださるお客様には本当に感謝なんですよ。

こういった層のお客様がもし他店…特にお値段がお安めのお店に流れてしまってるのだとしたら、

これは本当に大きな問題なわけです。

自分の価値を伝えていないか、伝えてるけどお客様にはそれが価値だと認識してもらえていないか。

大いに自分自身を振り返って見つめ直していかなければいけないんですよね。

それを他に安い店ができたからだの何だのって、周りのせいにしてちゃダメですよーって。

 

当店はまだまだこれからのお店です。

これだけたくさんある美容室の中からどのようにして選んでもらえるか。

ご来店くださったお客様にご満足いただくためには何をしたらいいか。

自分の名前を出して責任もってお店を営業していく以上、当然毎日そのことと向き合うわけです。

ましてや縁もゆかりもなかった場所での開業です。まだまだこれからもがんばりますよ。

 

【ここから本題】決着は勝負が始まる前についている

 

さて。

前置きにしてはだいぶ長くなりましたが、ここからが本題です。

スタイリングのコツ。結論から先に言いますと…

 

スタイリング剤を使う前に形をつけておくことです。

 

「なんだそれ」って思いましたよね。

でもこれがものすごく大事なことなんですよ。

皆さんはスタイリングって言われるとワックスとかジェルとか使ってやるものって思いますよね?

立たせたり、流したり、固めたり。

実はそうじゃないんです。

 

スタイリングは髪を乾かすときからもう始まっているんですよ。

 

これが美容室でのスタイリングとお客様が家でやるスタイリングの最も大きな違いだと思います。

これを意識してやるかどうかが仕上がりのクオリティに大きな差が生じるところですね。

なのでむしろスタイリング剤を使うよりも乾かし方のほうが大切だったりします。

ワックスだのジェルだのつけて、ハードスプレーでガチガチに固めて形をキープしようとしますよね。

でも時間が経ったら…セットしたはずの髪は潰れたり割れたり膨らんだりしてませんか?

それ、ほとんど全て根元の問題です。

ふわっと立たせたくてスプレーで固めても髪の根元が寝てたら潰れてボリュームなくなるし、

サイド膨らむからワックスで押さえても根元が起きてたらまた膨らむし、

前髪流してもスタイリング剤使う前に分け目ついてたら割れてしまうんですよ。

スタイリング剤を使うところからが勝負じゃないんです。

その前からもう試合は始まってるんですね。

前にこんな記事を書きました。

 

今さら聞けない髪のお話⑤「髪の毛ってどうやったら速く乾くんですか?」

    ほとんどのお客さんとの会話に出てくる今回のタイトル。 みなさん本当にめんどくさいって思ってるのがよーーーくわかります。ほんっとに。 今回はそれを美容師の観…

 

この記事にも書きましたが、『濡れた髪が乾くとき』『温めた髪が冷めるとき』に形がつきます。

なのでどういう仕上がりにしたいかをイメージして乾かすことが大事なんですね。

ですので、

 

  • サイドの毛が硬くて立っちゃうなら → 後ろから前に向かって風をあてて乾かす
  • トップを立たせたいなら → 根元を起こすように左右や下から風をあてて乾かす
  • 前髪が割れるなら → いちばん初めに前髪を上から下に向けて乾かす

 

こういったことを意識して乾かしてみてください。

実際やっていただくと気付くと思うのですが…この時点である程度もう形になってませんか?

スタイリング剤がスタイリングのメインじゃないんですよ。

乾かす段階で形を作っておいて、毛先のニュアンス作りや形のキープにスタイリング剤を使う。

こういう考え方であるべきなんです。

なので…わかりますよね?

寝ぐせついたままワックスつけたってスタイルが決まることはないんですよ。

寝ぐせ直しのミストみたいなやつ毛先にシュッシュッてつけるぐらいじゃダメです。

まず頭から水かぶってください。根元からしっかり濡らしてください。

そこからドライヤーで乾かしましょう。

 

「その時間がないんだよ」っていう人。

ちょっとだけ早起きしましょう。それも無理ならもうスタイリングは諦めましょう。

そういう人にとって髪型はきっとそんなに重要ではないはずなのでね。

おい、チー牛。起きろ。まずはそこからだ。

 

スタイリングってそんな難しくないんだよ

スタイリングの最も大事なことは濡らしてからのドライであることは分かったと思います。

ここでスタイリング剤をどうやってつけたらいいか、の話ができるわけです。

多くの人がやってしまう失敗ポイントは「最初につけたいところを触ってしまう」ということ。

…意味わかりますかね。

例えばトップを立たせたいと思ったら、ワックスを指にとってまずてっぺん触りません?

前髪流したいと思ったらいきなり前髪触ったりしません?

それが実はダメなんですよ。

 

 

毎度雑な手描きで申し訳ないのですが…図中のピンクの部分。

手が届きやすくて鏡にも映って見えやすい。

皆さんいきなりここからスタイリング剤つけ始めること多いんじゃないかと思うんです。

でも手にとったばかりのスタイリング剤って量が多いんですよ。

だから最初に触ったところって剤がつきすぎちゃって重たくなってしまう。

つけすぎになっちゃうんですね。だから後で重さで潰れたりしやすいんです。

で、見えないからどうでもいいやになりがちな後ろ。図中の青い部分。

ここに全然スタイリング剤ついてなかったりします。

なのでまずはスタイリング剤…ここではワックスを使うと仮定してお話します。

 

 

一度のスタイリングで使うワックスの量はこれくらいでいいと思っています。

指先っていうか、自分の爪ぐらいの量。

これを掌でよく延ばす。ハンドクリームを塗るように指の間にまでよーく延ばすんです。

だいたいワックスって白いので、白くなくなるぐらいまで延ばすのが目安かな。

それを髪の毛全体に勢いよくつけます。

ぐっしゃぐしゃにしてください。とにかく髪全部につくように。ボサボサになります。

 

 

…この絵で伝わりますかね。全体触ってもみ込んでぐっしゃぐしゃにするイメージ。

これでいいんです。全体にまんべんなくスタイリング剤をつけることが大事です。

この段階で形作ることを意識しなくていいです。それは全体に剤がついてからすることなので。

ついてるところとついてないところの差をなくすことで全体の形が整いやすくなります。

ただ、前髪にはこの段階ではつけなくてもいいです。あえて触れないのもありですね。

そうしてボサボサになってから形をつけていきましょう。

サイドを押さえたいなら後ろから前に向かって手ぐしを通すなり指でつまんでねじったり。

トップ立たせたいなら拳でくしゃって握ったり指でつまんだり。

バックは両サイドから真ん中に集めるようにざっくり手ぐしを通すといいですね。

ここまでやるともうちゃんとしたスタイルになってるはずです。

この頃にはもうスタイリング剤は髪にしっかりついてるので、手にはうっすら残った程度。

前髪はこれぐらいの分量になってから触るくらいでちょうどいいですよ。

どうせ時間経ったらおでこの脂を吸ってぺったりしやすいんですから。

前髪はサラサラぐらいでちょうどいいので、何もつけなくてもよかったりします。

 

さて、鏡を見てください。どうでしょうか。

いつもよりもなんかいい感じのスタイリングできてませんか?

実際やってみたらそんなに難しくなかったと思うんです。

スタイリングってこれぐらいでいいんですよ。

ちなみに女性のスタイリングもコツはだいたい同じだったりします。

もしできなかったとか、やっぱり難しいとか、もっと聞きたいって思うことがありましたら…

そのときはぜひお気軽に当店にお越しください。

カットのご予約だけでも結構です。

当店のメンズカットは料金にシャンプーと眉カットも含まれております。

お客様の髪質などをきちんと伺って、何がいいかを考えて提案していけたらなと思いますので、

興味を持ってくださったお客様のご来店を心よりお待ちしております。

 

関連記事

お店のこと
「なんでRicosの学割は中学生以下より高校生・大学生のほうが割引率大きいんですか?」
髪のこと
【基本】今さら聞けない髪のお話②毛髪の4つの結合
髪のこと
今さら聞けない髪のお話⑤「髪の毛ってどうやったら速く乾くんですか?」