こんにちは。

西宮・夙川にある「マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする」がコンセプトの

小さなプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。

 

前髪切るの失敗しちゃって…

 

美容師やってたらもう本当に何度でも耳にするんですよ。

もうね、ほんとに毎日って言っても言い過ぎにならないぐらい聞く。

美容師ならみーんな頷いてくれます。あるあるなんです。

このお悩みはどこで働いても必ず聞きますからね。横浜でも梅田でも夙川でも。

実際に前髪って大きく顔の印象変わりますからこだわるのはわかりますし、

それだけ大事なところなのにすぐ触れる場所にあるからつい切っちゃう。

そんでしくじるわけです。あーあ。

もちろん中にはものすごく上手にセルフで前髪カットできる人もおられますよ。

でもたいていの人はうまくいかない。だから皆さん思ったことあるはずなんです。

「失敗しない前髪の切り方ってあるの…?」って。

大成功と言えるかはわかりませんけど、失敗しにくい方法はあります。

ほとんどの美容の技術には理論があります。こうしたらこうなるよ、っていう。

それがお客様に受け入れていただけるかは別としても…ですけどね。

今回はそういう観点で失敗しにくい前髪カットのやり方をお話していこうと思います。

本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。

それではどうぞ。

 

黒目の幅で分け取ろう

 

まず最初のポイントはこれです。

ここからしくじる人も既に多数おられるわけです。

ここをしくじった人がどうなるかと言うと…前髪の幅が広くなります。

「端っこ長く残したかったのに!」「こんなに幅広くするつもりなかったのに…」っていう。

それを回避するポイントがこの黒目の幅で髪を分け取るということなんですね。

ではなんで黒目の幅なのか。

そもそも髪はつむじを中心に放射状に生えているものです。

なので前髪の部分は扇型に広がるように髪が落ちていくのが一般的です。

ですから切るときに分け取った幅よりも実際には広くなります。

だから「目の幅ぐらいで前髪ちょうどいいかなー」なんて思って切ったら「あれ?」みたいな、

そういうことになっちゃうんですよ。

前髪は黒目の幅で分け取って切ったらちょうど目の幅ぐらいになります。

もちろんこれはあくまでも一般的な前髪の幅で切るっていう想定での話なので、

例えばワイドバングみたいな個性的なのがいいって場合は別ですよ。

そういうときは敢えて目の幅で取ったりするのも全然ありですね。

 

厚みは指の幅で調整しよう

前項の説明で前髪の幅は決めることができました。

次に決めるのは奥行きです。奥行きで前髪の厚みを調節できます。

奥行きを測るものさしは自分の指です。

平均的な前髪の厚さはおおよそおでこの生え際から指3本分が目安です。

こうするとさっきの幅と合わせて三角形ができますよね。

これを基準にして三角形を動かすように考えると調整がしやすくなります。

もう流行ってからだいぶ経ちましたけど…シースルーバングってありますよね。

あれ作るのによく「前髪すいてください」って言われましたけど、そうじゃないと思うんですよ。

セニング…いわゆるすきばさみってやつですね、あれで軽くしたら前髪に短い毛いっぱいできます。

チクチクと短いアホ毛みたいなのが立ち上がってどうにもならなくなりますよ。

なのでやめましょう。薄い前髪を作りたかったら下ろす毛量を少なくするほうが効果的です。

指の幅を1~2本分減らして、前髪を薄く分け取るだけでシースルーになるはずですよ。

 

逆に重めの前髪を作ろうと思ったらその逆をすればいいんです。

今度は指の幅を1~2本分増やして、三角形の頂点を高くしてやればいいんですよ

こうすると下りてくる前髪の量が増えるので重たくできます。

このときにひとつだけ注意してほしいことがあります。

奥行きの限界ってのがあるんですよ。

前項でも書いた通り、髪はつむじを中心に放射状に生えているものです。

なので前髪を厚くしたくてもあんまり奥のほうから取ると前に落ちてきません。横に落ちます。

たまにおられるんですよ。

前髪増やそうとしたはずなのにそんなに増えてないどころか、なぜか横に短い毛ができちゃってる人。

それはこれが原因です。そうなりたくないですよね。

なので奥行きの限界は決まっています。

頭をてっぺんから前に向かって指でなぞって、曲面が強くなるところありますよね。

そこです。だいたいおでこの生え際から指4~5本分の位置かな。

そこから下ろした前髪をフルバングって言ったりもします。

奥行きを増やすと当然前髪の幅も広くなるので…なんか韓国っぽくなりますよね。

 

はさみは縦に入れて切ろう

 

ここまで来たら前髪の幅と奥行きが決まりましたね。

あとは切るだけなのですが、実際にカットしてみるとまっすぐ切れなかったりしますよね。

どっちかだけ長くなってしまうような…そんな仕上がりになってませんか?

これは単純な理由で、はさみを横にして一発で切ろうとすると髪は逃げるんですよ。

はさみを閉じようとすると髪の厚み的に1回では切れないので、はさみを閉じる方向に髪が逃げます。

だからセルフで切った場合の前髪は右が短くて左が長くなりがちです。

普通のはさみは右利き用に作られてますからね。はさみを右から入れたらそりゃそうなるよね。

なのではさみを少し立てて…斜めに入れる感じですかね。

刃先で少しずつチョキチョキと切り進んでいけば髪は逃げません。

こうすることで誤差の少ないカットができます。

今度美容室行ったときにぜひ前髪カットしてるとこ見ててみてください。

美容師もそうやって切ってるはずですから。

切れ味抜群の美容師のはさみでさえそうやって切るわけですよ。

一般のお客様が家にある工作ばさみとかで切ったところで…そりゃ一発でカットできませんよね。

 

やってはいけないこともあるよ

 

ここまでのやり方で前髪をカットしたら、おそらくそんな大それた失敗はしてないはずです。

ただ、髪の生え方や生えている量にはもちろん個人差があります。人はみんな違いますからね。

なので「やらないほうがいいですよ」っていうことも出てきます。

代表的なものをいくつか挙げましょうか。

 

おでこ狭い人が前髪を短くする
 →髪は短くするとツンツンと立ち上がります。浮いて始末に負えなくなるのでやめましょう。

前髪を流したいときは短くし過ぎない
 →短くするとツンツンするので流せなくなります。やりすぎは禁物。

乾いた状態で切ろう
 →濡れてるか乾いてるかでくせの出方が違うので。乾いてる方が普段の状態に近くて誤差が少ない。

 

どうでしょう。参考になりましたでしょうか?

この話はご自身の前髪だけでなく、お子さんのカットの際にも使えるんじゃないかなと思ってます。

それでも難しいなと思ったり、もっとこうしたいなって思うことがありましたら、

そのときはぜひご予約をお待ちしております。そのために我々美容師がいるんですから。

 

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