こんにちは。

西宮・夙川にある「マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする」がコンセプトの

小さなプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。

いつも長い文章のブログですがお読みくださる方には本当に感謝です。

今回はタイトルも長くなりました。

今日のお話は『普通』ってどうなのよ、ということですね。

普通です、普通…つまんないって思ってるの自分だけじゃないと思うんですよね。

本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。

それではどうぞ。

普通でいることの安心感

 

みんないっしょだとなんか安心する。

日本で普通に育ったらそういう価値観になると思うんです。

なんか周りと違うと落ち着かないっていうか。不思議なもんですよね。自分も昔はそうでした。

みんなと違う答えを選ぶのが怖いんですよ。

学生の頃なんて特に。浮くとからかわれますよね。

いや、からかわれるぐらいで済むならまだマシなのかな。

なんにせよずっと人見知りだったし恥ずかしがりで自分に自信がない。

そういう子供だったので、周りと違うことをする勇気がなかったんですよ。

スポーツ興味ないのにみんなが好きなチームを好きと言ってみたり。

だから学級会とかで1人ずつ意見を求められるのが死ぬほど嫌だったんですよね。

中学入ったときも運動嫌いなのに周りの仲良かった友達がだいたいテニス部入るって言うから、

それにつられて自分もテニス部に入ってみたり。スポーツ興味なくて嫌いなくせに。

あまりにも向いてない上に朝練の時間が早すぎてやる気なくて1学期だけで辞めたけど。

正直自分は普通よりちょい変な人寄りだろうなっていう自覚はあったんです。

みんなが好きだったものがあんまり興味持てなかったりしたので。

ビックリマンチョコのシールとか、ポケモンとか、ミニ四駆とか。

そういったものほぼ全部スルーでひたすら電車とシムシティに没入してたわけです。

それでも自分は普通寄りでいたかったんでしょうね。

自分は普通な人側にいるんだ、って思えるだけでもなんか安心感は得られたので。

だからなんか合わないなと思っててもなんとなく適当に話合わせてたりもしました。

でもやっぱりなんか違うなと…ふとしたときに思うんですね。

あれ、なんか普通ってつまんないんじゃないの…?

あるときからそう思い始めたんですよ。

それを確信に変えてくれることがありました。

 

あれ、もしかしてはみ出したほうが勝ちなんじゃね?

そもそも高校が普通科だけど外国語コースという、ちょっと特殊なクラスにいました。

合併で今はなくなった神奈川県立岩戸高等学校。ここの外国語コースです。

学年に1クラスしかないのでほぼクラス替えもなし。

それでいて外国語コースだから外国語の話せる人、外国人(混血含む)はもちろん、

何かしら才能っていうか個性のある人たちばっかりだったんですよね。

この頃から「ちょっと変わってても受け入れてくれるんだな」っていう心の下地ができました。

で、その後美容師になろうと専門学校に進学。

KBKビューティーカレッジという学校に入りました。神奈川県の美容組合が作った学校です。

なんかいろいろあったようで名前と場所は変わりましたけど今でもあります。

名前変わったけどロゴはそのままなんだな、この学校。

 

で、この学校。1年生の終わりぐらいからかな。

習熟度別にクラスを分けて授業をするみたいなことが始まったんですよ。今は知らないけど。

クラス分けが上から順に『ペンタゴン』『トライアングル』『クロス』の3つ。

みんなで「どうみても〇△✕だよね」って言いあってましたけど、たぶんそうだと思います。

このクラス分けで自分は実技と学科どちらもクロスから始まりました。

どっちも3段階のいちばん下のクラスからスタートしたわけです。

実技はシンプルにへたくそだったから、学科はそこそこできてたけど遅刻が多すぎたからですね。

これ、何かの節目で…テストかな、成績や出席を見てクラス編成が見直されて入れ替えが起きます。

結果として卒業前までにはどちらもいちばん上のペンタゴンまで行けたのですが…

あれ、実技はどうだったかな。記憶違いかもしれない。

なんにせよいちばん下からいちばん上のクラスまで全部見てきたわけですよ。

そこで気づいたんです。

 

『クロス』は底辺の集まりみたいな扱いだったのですが、さすがバカと天才は紙一重と言ったもの。

このクラスめちゃくちゃ楽しかったんですよ。

で、楽しいだけじゃなくてみんな思い思いに言いたいこと言うし、授業に活気があるんです。

思い思いに出てくる発言の中には「おっ」と思うようないい着眼点のものもありました。

上から目線的な言い方になってしまいましたが、自分にないものを持ってる個性的な人ばっかりで。

実際たぶんいちばん早く独立して店持ったのここのクラスの人だったはず。

粗削りだし磨き方わかんなくても、それぞれがものすごく光る原石に思えたんです。

 

『ペンタゴン』は全員よくできる人たちのクラス。

ここのクラスに入れてから友達に「やっと這い上がってきたな」って言われましたけど。

みんな真面目なんですよ。学科も真剣だし、きちんと質問も飛ぶ。

実技もクラス全部が「もっとうまくなりたい」っていう空気。みんな実際うまかったし。

向上心ある人たちだとこうなるんだな、っていうのがよく伝わります。

こういう環境に身を置くと自分自身ももっとがんばろうって思えますよね。

 

『トライアングル』は中くらい。普通の人たち。

まさに可もなく不可もなくですが…全く活気もやる気もないんですよ。

学科寝てるし、教室静かだし、これといって質問もどうでもいい発言も出ない。

全員なるべくして普通になったっていうか。

めっちゃつまんなかったんですよね。

最終的に下層から上層まで行った時点で振り返って「普通がいちばんつまんないな」と。

そう気づいたんですよ。

 

普通からはみ出した上位と下位、どちらも個性的で尖った才能が集まってました。

自分自身美容師なんて向いてない辞めたいって学生の頃からずっと思ってましたよ。

いつまで経っても上達しないし、上には上がいますからね。

でも「平凡に埋もれるよりはちょっとぐらい変でもみんなわりと受け入れてくれるんだな」と、

そう思わせてくれたのはこの学校生活のおかげでした。周りみんな個性的でしたし。

 

周りと違うことを恐れるな、それが個性だから

 

元々から美容師って世間一般で言う普通の奴あんまりいないんですよ。

たぶん一般企業で真面目に働くとかできないタイプの人間。みんなキャラ濃い。

専門でも既にそういう感じの片鱗が見えてたんですけどね。

改めて振り返ったらリタイアせず今も残って現役で美容師やってるのってみんなキワモノだな…と。

ペンタゴンかクロスにいた人ばっかりが残ってる気がする。

普通って、言い換えたら平凡なんですよね。

みんなと同じものがいいって思いながら学校行って、なんとなく大学にも行って、

新卒で一般企業に入社して正社員になって、定年まで勤めあげて退職して…。

こういう普通とされる平凡な生き方。これが機能している社会ならそれもありなんでしょうけど。

最近壊れてますよね、平凡なサラリーマンルートで人生ゲーム上がろうとする流れが。

こうなると周りと同じであることにそれほどの価値ってないと思うんですよ。

ひとりひとりが持つ『他の誰でもない』自分だけのキャラクターみたいなものが、

その部分が突き抜けてる人のほうがこれからの時代は強みになるんじゃないのかなと。

だからこれはある意味ではチャンスですよね。

目標に向かって突き進むことはもちろん大事です。

でも挫折して遠回りしてきた人たちも、その過程で得た経験がアピールポイントになる。

むしろ一度底辺まで行ってる人のほうが平凡な人にはない強さや深みがあると思うんですよね。

これは美容師に限らず、他のジャンルでもそうだと思います。

ちなみに自分自身もそうでした。

美容師になろうとしてたくせにファッションとか興味なくてひたすら電車大好きオタクだったし、

実際なってみてもあまりにも覚えが悪くてスタイリストになるまで5年かかったし、

上の人間にボロクソ言われ続けて病んで美容師辞めてしばらくパチンコ屋で働いてたし…

それでもありがたいことに美容師として多くのお客様に喜んでもらえる仕事をさせてもらえてます。

今年は自分の店を持つこともできました。

これには本当に支えてくださったお客様の皆様にただただ感謝です。ありがとうございます。

自分みたいな変人でも、誰かを笑顔にできて誰かの役に立てる。

世間的にはわりと普通じゃない美容師の中でも、たぶん自分は普通の美容師という枠から外れてます。

周りとは違うことを恥ずかしく思わず、これも自分の個性と思ってこれからも生きていきます。

「変わってるね」「変人だわ」は誉め言葉ですから。開き直った人は無敵です。

 

なので自分自身のことを自分で言うのは何も恥ずかしくないんですけどね、

でもそれを誰かに言われるのは恥ずかしいんですよ。

夏の暑さで親の作った弁当が腐ってたっぽくて高2の学校帰りに思いっきりうんこ漏らした話とか…

これ自分で言うの何ともないけど、人に広められるのめっちゃ恥ずかしいからほんとやめてね。

 

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