こんにちは。

西宮・夙川にある「マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする」がコンセプトの

小さなプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。

ここ最近まじめな内容の記事ばっかりだったように思うので、

たまにはこういうのもどうかなと思いましてお遊びの感覚で載せてみました。

テレビ自体をほとんど観ないのでオンエアももちろん観ていないのですが、

ついこの前ラヴィット!に嘉門タツオが出演したというのをTwitterか何かで見ました。

しかもいつの間にか嘉門達夫ってタツオに芸名ちょっと変えたんですね…。

最近の若い子らは嘉門タツオって知らないんじゃないかと思うんですけど、

30半ばより上の世代ならみんな1回はこの人の替え歌聞いてますよね、きっと。

一回こういうの聞いちゃうと触発される人も出てくるんじゃないかと思うので…

今回は自分が思う替え歌作りのコツはこれだろうなというものをですね、

嘉門タツオ大先生の『替え唄メドレー2001』を例にお話ししていけたらなと思います。

本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。

それではどうぞ。

替え歌界のレジェンド・嘉門タツオ

自分もうすぐ38歳なんですけどね。まあまあのいい歳ですよ。

そんないい歳こいたおっさんが今回こうやって替え歌について記事書いてますけど、

でも替え歌大好きなのってやっぱり子供らだと思うんです。

小学生のときわけわかんない替え歌を歌う友達とかクラスに何人もいましたよね。

しかもわりと汚い…うんこちんちんレベルの歌詞のやつ多めで。

歌詞を変えるんじゃなくてメロディーに適当な歌詞つける奴もいましたよね。

誰ですかね、ファミスタのBGMにくっだらない歌詞を日本で一番最初につけたクソガキは。

「ジャーイアント馬場の ケーツの穴は 3セーンチ5ミリー」って。

さっき検索したらこの歌詞には地域差があることを初めて知りました。

9センチ5ミリってパターンもあるんですか。アホか。

 

上記のようなあんまり汚い言葉を使うと…関西でも有数の高級住宅街であるこの夙川では、

お客様の心証がよろしくないものになってしまうんじゃないかという怖さがちょっとあります。

気を付けたほうがいいのか、気にしないほうがいいのか…。

さて、そんな子供の頃に「チャラリー 鼻から牛乳」って聞くか歌うかしたことありませんでした?

これもファミスタと同じように誰が最初に歌いだしたのかは知りませんが、

少なくともこれを楽曲としてCDに収録して全国的に広めた人がいます。

それが嘉門タツオです。この人です。

 

 

広く知ってほしいのでオフィシャルサイトのリンクも貼りますね。

嘉門タツオオフィシャルサイト

いろいろなCMソングやら流行りの歌をもじって変えて、面白おかしく歌い上げる。

『替え唄メドレー』シリーズでヒットしたんですよ。特に90年代。

替え歌を作って歌う人はきっと数多くいると思うんですけども、

そういった人たちから見ても手本というか目標みたいな位置にいるのではないでしょうか。

芸能界で替え歌を売りにしてきた歌手といったら、やはりこの人しかいないだろうなと。

もう芸歴40年以上ですか。大御所ですよ。

嘉門タツオもだいぶ変な人ですけど、彼を発掘したのはサザンオールスターズの桑田佳祐。

やっぱりぶっ飛んだ変人ってすごいですよね。憧れます。

 

追記:2023年3月に嘉門タツオ氏は飲酒運転で事故を起こしたとの報道がありました。
   彼の公式サイトのリンクが切れたのはそのせいかもしれません。

 

コツ1:音数を揃える

本題に入りましょう。

うまいなと思われる替え歌には法則というか公式というか…コツがあるように思います。

コツを外すと聴いてて不自然さが出てくると思うんですよね…。

 

まず1つ目は『音数を揃える』です。

これは他にもいろいろな替え歌の作り手の方が書いています…ある意味では基本なんでしょうね。

ここが揃ってないと字余り感がすごくて聴き手に違和感を持たせてしまいます。

例として「すみません」というフレーズ。

これは『す・み・ま・せ・ん』なのか『す・み・ま・せん』のどちらで発音するかということ。

元ネタになる歌詞が5音なのか4音なのかという点を意識して作った方がいいんですね。

これを揃えないで思いつくままに歌うのが子供の替え歌のかわいらしい良さかもしれませんが、

聴き手にうまいなと思われるには、まずは音数を意識しましょう。

ここでは例としてこれを挙げます。

 

 

こういうとこで引用するのどうかと思うぐらい小柳ゆきって歌うまいですよね。

熱唱してる小柳ゆき誰かに似てるなって思ってずっと観てたけど…わかったわ、高橋真麻だわ。

さてさて、小柳ゆきの『愛情』をぜひ聴きながら比較してみてください。

 

元ネタ:壊れそうな明日に向かい(中略)飛びたつ True Heart

替え歌:破れそうなデブの下着 飛び出す腹

 

音数が揃っているからこその馴染みってものがとてもよくわかるかと思います。

改めて聴くと…よく考えたよなと。ほんとにそう思います。

元の歌がめちゃくちゃいいのに嘉門達夫の手にかかってすっげぇ残念な情景に。

小柳ゆきもよくこれにOK出したよな。懐が深い。

 

コツ2:なるべく母音を合わせる

この『母音を合わせる』というのはどういうことか。

ほとんどの場合、日本語は母音と子音がセットになっています。

日本語でいう所の『あいうえお』が母音です。英語だと " A E I O U " の順だったかな。

それ以外の " T " " K " " S " などの子音単独で発音するケースは少ないはずです。

例えば「よろしくね」をローマ字で表記すると " YO-RO-SHI-KU-NE " になりますよね。

このうち母音は " yO-rO-shI-kU-nE " の太い大文字の部分。

違う単語に置き換えてもここを元ネタと合わせておくとすんなり馴染みます。

なので「よろしくね」を「この椅子で」「ここ切るね」に変えてもそこまで違和感ないはずです。

音数が揃っていても母音が違うと耳馴染みがあまりよくなかったりするんですよね…。

では実際に例を挙げて説明します。

諸事情により動画じゃなくてリンクを貼ります。

藤井隆の『ナンダカンダ』です。懐かしいですね。これもいい歌ですよね。

実際に聴いてこの曲のサビと嘉門達夫の替え歌を比較してみてください。

 

元ネタ:なんだかんだ叫んだって やりたいことやるべきです
    nAN-da-kA-N-dA-sA-ke-N-dA-ttE yA-ri-ta-I-ko-to-yA-rU-be-ki-dE-sU

替え歌:パンになんか挟んだって サンドイッチになるだけです
    pAN-ni-nA-N-kA-hA-sa-N-dA-ttE sA-n-do-I-cchi-ni-nA-rU-da-ke-dE-sU

 

だいたい合ってますよね。

これぐらい合ってると自然にすっと耳に入ってきますよね。

にしてもね、サンドイッチね。そりゃそうだわな。

 

コツ3:元の歌詞を活かす

要するに元の歌詞をほとんどそのまま使うってことです。

替え歌は替え歌ですけど、ほんの一部をもじってるだけで全く別の物に変えるやり方。

これは例を挙げて聴いてもらった方が早いですね。

花*花の 『さよなら大好きな人』の歌い出しの部分です。

 

 

元ネタ:さよなら大好きな人

替え歌:さよなら大助花子

 

「さよならだいす」まで全く同じ。その先4文字だけが変えられてこの歌詞。

嘉門達夫はこのパターンを替え唄メドレーの歌い出しに持って来るの好きなんですかね。

2001ではないですけど、それ以前の替え唄メドレーと言ったらこれですよ。

 

 

元ネタ:かつお風味のほんだし

替え歌:かつお風味のフンドシ

 

なんでふんどしからかつおだしが香るのかという疑問がどうでもよくなるインパクト。

「ほ」と「だ」が違うだけでこれですよ。

古来より名作とされる二次創作的作品って元になる対象を大きく損なっていませんよね。

例えばマルセル・デュシャンの『泉』なんか既製品の便器そのまんまですし、

みうらじゅんが始めた『らくがお』…これ所さんの番組で放送してたと思うんですけど、

あれで表紙を飾る殿堂入りの作品は素材になった舛添要一氏の顔をとても活かしてましたね。

 

 

 

というわけで。

実は自分もたった1つだけこれらのコツを活かした替え歌を持っています。

歌う気はないのでそっとしておいてください。