こんにちは。

【扱いやすくて長持ちするスタイル】【通うほど髪がきれいになる美容室】

をテーマに、マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする

西宮・夙川にあるプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。

先日、いろいろと話題の大阪・関西万博に家族で行ってきました。

本当に問題が山積しているからなのか、開催を快く思わない勢力があるのか…

何だかはわかりませんがこの万博は前評判がすこぶる悪かったですよね。

開催を批判される側の方はだいたい維新憎し、吉本憎し感めちゃくちゃあるように見えますけども。

かくいう自分も正直言って批判的というよりは無関心に近いものがあったんですよ。

万博やってもやんなくてもいいからさっさと早く夢洲にカジノ含むIR建てちゃえよ、っていう…

わりとそういうスタンスだったわけです。

とはいえ振り返ってみたら自分が行った最後の博覧会っていつだろう。

そう考えてみたら1989年の横浜博覧会だったと思うんですね。まだ4歳の頃。

めちゃくちゃ並んだ記憶しかない。しかもあれ都市博であって万国博覧会じゃないしな。

というわけで万博というものに一度も行ったことがないことに気付きましたので、

これはとりあえず行ってみるのもいいんじゃないかと(少なくとも損はないだろうと)思い、

あと子供たちに世界にはいろんな国々があることを知ってもらうきっかけにもなると思い、

このたび行ってみることとしました。

タイトルにもあります通り、めっちゃ楽しかったですし皆様にもぜひ行っていただきたいなと、

そういう思いで今回この記事を書きました。

体験レポというのは人によってはネタバレ的に感じるかもしれませんので、

行くまでのお楽しみにしたいならお読みにならないほうがいいかもしれません。

ただ、この記事を読んで知るのと現地で実際に体験することの間には大きな差があります。

むしろこれを読んで「ここいいね」「このパビリオン面白そう」とか、

ちょっとでも何かしら引っ掛かって現地を訪れていただくきっかけになれたら大変うれしく思います。

それぞれのパビリオンに行って思ったことを書きまくったのでとても長文なのですが、

お読みの皆様は目次を見て興味ある国や項目だけかいつまんでいただくことをお勧めします。

もちろん全文お読みいただけるなら、それもまた望外の喜びです。

本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。

それではどうぞ。

 

入場は西ゲートからが断然おすすめ!

 

何かを言うより見てもらったほうが早いので写真を最初に載せました。

この通りです。ガラガラです。入退場どちらも全く並びません。

我々の行った5月6日は朝と夜が雨、昼間は薄曇りというお天気でした。

「雨だからじゃないの?」と思いますよね?

今この記事を書いている5月17日もまあまあの雨ですけど、東ゲートは大混雑のようです。

雨で土休日という条件は6日も17日も同じですが、これだけの違いなんですよ。

地下鉄に乗って万博行った人は大混雑で(ましてや悪天候なら)地獄を見る思いかもしれませんが、

西ゲートはそんなものとは無縁でした。実にストレスフリー。

だから入場の混雑を避けるなら答えは至ってシンプル。

絶対に地下鉄(大阪メトロ中央線)で万博に行かないことです。

最寄り駅から行きたくなる気持ちはわかるんですよ。駅降りてすぐがいちばん便利ですから。

通勤通学でも途中にバス移動を挟むのってちょっとめんどくさい感じあるじゃないですか。

だから万博会場まで電車で1本で行けるルートを選ぶのは普通のこと。

だけどみんなして考えることは同じなんですよね。だから大混雑してしまう。

なので結局は『急がば回れ』です。バスを使いましょう。

 

 

このように大阪市内と近郊の主要駅からシャトルバスが運行されています。

自分らはJR尼崎駅からバスに乗ろうとしたんですよ。

だけど運賃が2000円。子供料金なし。

さすがに高すぎやしませんかね…4人でJ尼から行ったら8000円ですよ。バス代で。

公式見てもあれが片道なのか往復なのかはっきりしないのがまた何とも言えないのですが、

仮にもし片道分でそれなら、我が家からだとバス使うより家からタクシーで行ったほうが安いぐらい。

だって深夜に天王寺から塚口までタクシーで帰っても8000円しませんから。

それやのに何で阪高使うてすぐそこまで行くだけで8000円も払わなあかんねん、ってなりますよね。

しかもバスの本数少ないし。はっきり言って不便。

たぶん堺とかなんばとか…他のところからも似たようなものだろうと思うので、

おすすめはJR桜島駅からのシャトルバスです。これを強くおすすめいたします。

桜島駅はJRゆめ咲線の終着駅です。

USJの最寄りになるユニバーサルシティ駅の次ですね。

 

 

こういった一般的な路線バスタイプのバス車両でシャトルバスは運行されています。

これがおおよそ5分間隔で来るんですよ。だからそもそも全然待ちません。

しかも運賃は大人・小児同額で1人350円ですが、乗客1人につき未就学児は2人まで無料。

大変お安くてお得なのです。

バスの乗車時間もせいぜい15分程度。すぐ着きます。

これ…どう考えても万博公式でこのルートに誘導したがっているようにしか思えません。

そして降り口もどのシャトルバスよりもゲートに近い。

ここまで優遇されているルートを使わない手はありませんよ、皆さん。

あれだけの行列なら東ゲートで入場待ちしている時間も相当だろうと思うのですが、

その時間があるならこっちのルート使えばとっくに万博会場入れてると思うんですよね。

せっかく行くんだったら会場に早く入れれば時間も有効に使えるじゃないですか。

巡れるパビリオンだって増やせるでしょうし。

その貴重な時間を東ゲートの入場待ちに使うなんてもったいない。

万博会場へはぜひシャトルバスに乗って【西ゲート】から入ることをおすすめいたします。

シャトルバスはKansai Maasアプリから予約できますよ。

※この混雑状況は5月6日現在のものです。今どうなってるかは各自でご確認ください。

 

噂の大屋根リング

 

万博のシンボルでもあってさすがにシャトルバス車内の遠くからでもよく見えるのですが、

この大屋根リングの下には無数にベンチが設置されています。

内側と外側それぞれの屋根下あたりにずらーっと並んで設置されています。

オープンな休憩スペースのようなものですね。

よっぽどの混雑でなければ座れないということはないだろうと思います。

で、木組みでスカスカだから雨除けの機能なんかねえじゃんよ的な批判もありましたね。

朝は雨だったので確かに濡れているベンチも多数ありました。それは事実です。

ですが、大屋根リング自体にそれなりの幅があるので全てのベンチが使えないことはありません。

風向きによってリング内側か外側どちらかのベンチは濡れずに無事ですので、

ちょっと座っておにぎり食べるとか休憩するには問題なく使用できました。

西ゲート入ってから見えるリングの手前にはガンダムがいます。

 

 

リング上に行くには主に階段とエスカレーターがあり、数は限られますがエレベーターもあります。

リングの上はこのような感じになっています。

 

 

とても開放感のある清々しいものでした。

六甲山系やら明石海峡大橋まで遠くに望める素晴らしい眺望。

上からだとどこにどんなパビリオンがあるかもよくわかります。

まぁ…海っぺりだから風が強めなのは多少は致し方のないところですね。

あと我々の行った日には話題になっている虫の大量発生に出くわすことはありませんでした。

あまりに清々しくて虫が発生したニュースのことは忘れてたぐらいです。

大屋根リングは一周で2kmでしたかね、その4分の3ぐらいは歩きました。だから1.5kmか。

この日は昼頃から雨も上がり、薄曇りだったのでいいお散歩気分で歩くことができましたけども…

これもし真夏の晴天とかだったら灼熱の極みですよね。

真夏の大阪を…この日除けの一切ない大屋根リング上で過ごすと思うと危険です。

熱中症が続出しそうな感じがします。下手すると死ぬぞ。

もし真夏にリング上に行く際は日傘なり水分補給なりを適切に行い、

危ないかもと思ったら無理せずリング下まで退却したほうがよろしいかと思います。

 

この日に行けたパビリオン

アルジェリア館

西ゲートから入って、リングを越えてすぐにある海外パビリオンはセルビアとベルギー。

特にベルギーはなかなかの行列だったので、我々は隣にあるアルジェリア館に行きました。

アルジェリアはフランスの植民地…というよりは『海の向こうにある新たな本土』の感覚で、

かつての日本における朝鮮半島のような扱いだった国ですね。

大日本帝国が『内鮮一体(=日本と朝鮮は一体だよ)』と言っていたのとまさに同じで、

フランスは「アルジェリアは不可分の領土」と言って他の植民地より格上の扱いをしていました。

アルジェリアはアフリカの国ですけど、サハラ以北のアフリカはある意味でアフリカではなく、

むしろスペインやイタリアなどの南欧と同じ『地中海の国』というほうが地理的一体性があります。

ローマ帝国の遺跡もこの地域には多く残っていますからね。

なので街並みも南欧の地中海沿岸諸国と似て、白い壁にオレンジの屋根瓦が青空によく映えます。

そういう映像が流れていました。美しい街並みです。

個人的には映像の中にムザブの谷が出て来なかったのがちょっと残念だったなー。

最初に入ったパビリオンだったので残念ながら写真をほぼ撮り忘れたのですが、

出口近くにある協賛企業や団体のロゴは撮れました。

アラビア文字は宗教上の理由で洗練されたカリグラフィーが素晴らしいですが、

これが企業のロゴでもその美しさが見事に発揮されていますね。

驚いたのは左下のクレディ・ポピュレール・ダルジェリー…これたぶん銀行ですかね。

アラビア語とフランス語に加えてちゃんとティフィナグ文字でベルベル語も表記されている。

主流派のアラブ人に比べれば原住民とはいえベルベル人は少数民族になるんでしょうけど、

マグレブ地域におけるベルベル人の存在と影響力は決して無視できるものではないんでしょうね。

 

 

バルト館(ラトビア、リトアニア)

詳細を調べていないので理由は不明ですが、なぜかエストニア抜きでのバルト館。

何かあったんですかね。知らんけど。

地理の時間に『バルト三国』として紹介されるリトアニア、ラトビア、エストニア。

NATO加盟国かつ旧ソ連圏として今の世界情勢下では危機感みなぎる最前線でもありますが、

写真や映像では美しい街並みと自然のある国ですね。でもそれ以上のことは知らない。

あっ、やまやで買えるリトアニアビールはおいしいですよ。

『ヴォルファス・エンゲルマン』ですね。皆様もぜひどうぞ。

 

 

あまりよく知らない国のことでも万博ではこうして特色や名産品などを見て知ることができます。

木材の細かい細工技術が得意な国なんでしょうね。

バルト館公式キャラのバラビちゃん(ポルチーニ茸らしい)だらけです。

あとはハーブとか薬草の標本が壁一面に並べて紹介されてた…けどレタスとかもあった気がする。

あとですね、Xで有名な日本推しのラトビア人アルトゥル氏ご本人がおられます。

この人です。身長めっちゃ高くて髪が水色なのですぐわかりますよ。

 

カンボジア館

 

お米と仏教の国を前面に押し出した展示内容。

カシューナッツも名産品なんですかね。瓶詰めの生の胡椒とかも展示してあったと思います。

これだけ押し出してるのに出口近くの物販コーナーに食品が見当たらない。民芸品ばかり。

なんでなん。せっかくのチャンスやのにもったいないやんけ。

この米価高騰の日本ですから例えばカンボジア米1kgとか売ってたら試しに買う人いると思いますよ。

それがきっかけで「カンボジア米も案外いけるやん」「備蓄米よりうまいんちゃう?」みたいな、

そういう感じになったら販路拡がるだろうに、そういうものはなかったんですよね。何て惜しい。

カンボジアのコメ生産量は日本よりも多いというのに。ここがアピールしどころだろうがよ。

代わりに今度プノンペンに建つ東京タワーと同じ高さのコンドミニアムが模型付きで展示されており、

ご丁寧にパンフ付きかつ「ハルカスより大きい、施工会社は日系」と図解ありでご紹介されてました。

なんでなん。タワマンの展示より米のほうがカンボジアらしくてええやんけ。

施工するタニチューさんが神戸の会社だからってのはあると思うにせよですね、

今回こうした『名産品の展示はするけど売る気はないパビリオン』がちらほらありました。

どんだけ商売下手かよ。本国からの指示どないなってんねん。ちょっと残念です。

 

チュニジア館

 

このロゴを見てもらっての通りなのですが、とにかくジャスミンをアピールしています。

パビリオンが最初から最後までジャスミンの香りに包まれていました。いい香りですね。

チュニジアの国花はミモザらしいのでジャスミンは国花ではないらしいのですが、

この花はチュニジアを代表する花なんだそうです。

日本も国花は菊ですけど、日本を代表する花は菊ではなくて誰しも桜と答えるのと似てるよなと。

2010年代前半に中東各国で起きた、SNSに支えられた民主化運動『アラブの春』ってありましたね。

あれはチュニジアの反政府運動と、それによって23年続いたベンアリ政権の崩壊がきっかけでした。

これをジャスミン革命と呼んでいますね。

それだけ自分たちのシンボルという思いがあるんでしょう。

詳しくは知らないのですが、そもそもジャスミン自体が中東全体で古くから好まれているはずで、

アラブ圏で一般的な女の子の名前『ヤスミーン』はジャスミンのことですよね。

日本でも女の子に『さくら』って名付けるじゃないですか。さくらちゃん。あれと同じですよ。

国花ではないけど国のシンボルになる花があり、それを女の子の名前にする…

この点で日本とチュニジアには共通点があると思うんですね。チュニジア人わかってるのかな。

ここの見どころは出口近くの物販とカフェコーナーです。

 

 

カラフルで細かい彩色が特長のガラス細工や陶器。めっちゃかわいくないですか?

そして職人さんが名前を彫ってくれる金属細工。

まるでアラブのスークの一角を持って来たかのようで、ここでは思わず足を止めてしまいます。

ここでガラスとか焼き物買うてどないして持って帰るねん…ってなるのは確かですから、

割ってしまうと悲しいので早めにゲート近くの宅急便ブースから自宅配送してください。

カフェコーナーではチュニジアのスイーツやお食事、コーヒーがいただけます。

でっかい木製の丸テーブルに座布団という組み合わせ。

我々は食べなかったのですが、他のお客さんはクスクスのようなものを食べてましたね。

 

 

我々はスイーツを3種類食べてみました。

なんかゴマ使ってるお菓子と、デーツにゴマペースト挟んだやつと、バクラヴァみたいなお菓子。

概ねうちの子らにも好評でした。おいしかったですよ。全体的にねっとりしてましたね。

ただ…コーヒーは量が少ないのはアラブであることを考えれば何もおかしくないのですが、

飲んだ人が言うにはそんなに濃くもないみたいで、お値段を考えるとそこは残念かなと。

そして先述のアルジェリア館でも書きましたが、チュニジアも同じくアフリカだけど地中海の国。

写真は撮っていませんが、カフェコーナーの壁にはハンニバルらしき人物画がありました。

今でも優れた名将との誉れ高いカルタゴの将軍ですね。ローマ史上最強の敵。

なんせあのローマを一度は滅亡寸前にまで追い込んだのはこの人ですから。

そのカルタゴはチュニジアの首都郊外にあって、ハンニバルはチュニジアでも英雄になっています。

とはいえ今のチュニジアはフェニキア人じゃなくてアラブ人の国。

パビリオン出口を出て右側には極めてアラブ的な貴賓室がありました。

その出口がこういった具合にジャスミン全開です。チュニジアは最後に本気を出すようです。

 

 

コモンズ館C

万博に参加する各国は単独でパビリオンを構える国ばかりではなく、

ひとつの建物内で各ブースごとに分かれて出展する共同のパビリオンもあります。

言い方あれですけどこの…ごった煮パビリオンをコモンズ館と呼ぶそうです。

有名な国々の単独パビリオンがどうしても注目されるのは致し方ないのですが、

実はこのコモンズ館がとても面白いんですよ。

普段まず行かない・行けない国や、存在も知らないような国のことを知る機会になりますからね。

一通り見てきたのですが、ここではそのうちのいくつかをご紹介します。

 

イスラエル館

 

聖書の国らしく歴史とユダヤ教を主にアピールしていました。

神殿の石みたいなものもあったかな。触れました。

もちろん現在進行形でガザをぶっ叩いてる話はどこにもなく…

万博は自国のファンを増やす、いいイメージを持ってもらうのが主目的なので、

自国に関わるネガティブな話題は当たり前ですが一切出してきません。

例えばアルジェリア館でも90年代にあった凄惨な内戦の話は全く出て来ませんからね。

そりゃ治安悪いとか危険みたいなイメージなんて持たれたくないわけですよ。

イスラエルはパレスチナとの戦闘以外にもアピールできるものはいろいろありますから、

ここでわざわざそんなことをアピールする必要性なんてないですよね。

あんまり詳しくは見ていませんが物販ブースにもいろいろと商品が用意されてましたから。

なんならマックス・ブレナーが万博期間中だけ限定復活、とかやってほしかったなという…

そういうのはダメだったんですかね、イスラエルさん。

 

ウクライナ館

 

イスラエル同様にこちらも現在進行形で戦争の真っ只中にあるウクライナですが、

イスラエルとは違ってウクライナは今の戦争を忘れられてしまうわけにはいかないのです。

今もなお『侵略してきたロシアに立ち向かう』ことを知ってもらうのがとても大切なんですよ。

何年にも及ぶ戦争で、ウクライナ企業はいかにして国民の命と生活を守ろうとしているか。

そのためにこんなものを作っています、開発しましたよというものが紹介されています。

ウクライナはドローンを大々的に用いた現代戦のノウハウをどこよりも積み上げているので、

この戦争の結末が『ロシアに対して降伏するものでない限り』という条件付きならば、

戦後は必ず軍需産業大国になっていることは間違いありません。

日本にいる限りは戦乱とは程遠く、こうした『現実』に全く現実味がないのですが、

こうして戦場となっている国から我々のそれとは違う『現実』が入って来るのは…

やっぱり考えさせられるものがありますね。

状況は全く異なるのですが、平和になった戦後日本に小野田少尉が帰還したときも、

それを見た人にはおそらく似たようなカルチャーショックがあったのではないかと思っています。

平和とは相容れない戦争の香りと、この戦いには絶対に負けないという強い意志。

自分はウクライナの展示ブースからそれを感じましたね。

 

サンマリノ館

 

ほとんどの人にとってサンマリノという国がどこにあるかもわからないのでは…と思います。

サンマリノはイタリアの中にあります。ローマの中にバチカンがあるように。

歴史は古く、独立は1700年も昔のこと。サンマリノは現存する世界最古の共和国です。

統一運動を経て現在に繋がるイタリアができたのが1861年ですから国家としての歴史が全然違う。

だいたいサンマリノが建国された301年って日本だとまだ古墳時代ですからね。

文献上にサンマリノが初めて出て来るのが951年とのことで、それでも平安時代前期ですよ。

それだけ長く独立を保つことのできた国って世界史的に見ても大変に貴重です。日本もそうですよ。

これだけの間長らく独立を保った国ですから、展示品にも歴史を感じるものが用意されていました。

世界最古の写本…だったかな。なんであの貴重な書物を自分は写真に撮らなかったんだろう。

我ながらもったいないことをしたなと思います。

 

コモンズ館B

ソマリア館

 

コモンズ館Bに入ってすぐあるのがこちら。

これこそが万博の醍醐味とでも言うべきものです。ソマリアですよ?

普段まず行かない・行けない国の代表格と言っても決して言い過ぎではない。

地図上ではソマリア全土がひとつの国と表示されますけど、実際には3つに分かれています。

ソマリア、ソマリランド、プントランドですね。それぞれ別の独立した政府がある。

要するに中央政府の統治が末端まで及んでいないわけです。統一国家の体を成していない。

日本なら与那国島でも稚内でも、全て日本政府の統治下にありますね。

沖縄県も与那国町も、北海道も稚内市もきちんと日本政府のコントロールが効いている。

それはあまりにも当たり前ですけど、世界にはそれが当たり前じゃない国もたくさんあるんですよね。

そういった末端が武装ゲリラに占拠されていて、彼らによってその地が実効支配されているとか。

ソマリアはそういうレベルじゃないんですよ。

例えるなら「福島県から北側は東北国だ」「関ヶ原より西側は西日本国だ」とか言って勝手に独立し、

東京の中央政府の言うことを聞かない…日本政府の統治が関東と中部にしか及んでいないような、

そういう状態にあるのがソマリアなんですね。だから脆弱国家ランキングのワースト1位常連。

こんなところにうかつに入国しようとしたら命の保証がなかったりするわけですよ。

そんな国でも自国の紹介はきちっとやっております。

ちゃんと自分たちが正式なソマリア代表という意識を持って万博に参加している。

サッカーソマリア代表のマスコットに名前つけてあげてね、みたいなこと書いてました。

 

ハイチ館

個人的にはこちらのほうがソマリア以上に危険な国だと考えています。

おそらく脆弱国家ランキングぶっちぎりの1位って言っていいんじゃないかと。

中央政府の統治の及ばなさがソマリアの比ではないんですよ。

国土の99%近くがギャングの抗争と略奪そして殺戮に明け暮れる無法地帯…

なんなら首都も8割がギャングの支配地になって無法地帯化しているそうで、

ハイチ正統政府が統治できてるのは首都の2割にあたる富裕層地区と空港のみ。

日本で言えば東京の千代田区と港区と羽田空港だけしか政府の統治が及ばず、

それ以外の東京どころか日本の全てがギャングが暴れる無法地帯化している…

こう言えばハイチの深刻さがイメージしやすいでしょうか。

ハイチ政府を守るために国連が加盟国に軍の派遣を要請してもどこも手を挙げない。

「ハイチは救えるのか?」「そもそもわが軍を危険に晒してまで救うに値するのか?」

それぐらい無理ゲーすぎる現状は国際社会から見捨てられたとしか言えません。

国連にお願いされてしぶしぶケニア軍が主にハイチの治安維持に当たっていますが、

そのケニア軍がギャングとの戦闘で死者が出ているような有様。どうすんのこれ。

よくリアルなマッドマックスとかリアル北斗の拳などと言われたりしてますね。

本物の修羅の国ですよ。

そんな国でもパビリオンはちゃんとしっかりしていました。展示品が充実しているのです。

 

 

ハイチは危険なイメージばかりが語られて…とはいうものの実際に危険なのですが、

本来は黒人奴隷が自ら世界で初めて作った独立国家で、カリブ中南米地域初の独立国家でもあります。

ハイチはその地に住む人々の様々な文化が融合したクレオール文化が特徴で、

中南米全般に見られるカラフルな彩色の絵画や工芸品など文化面ではとても豊かなんですよね。

それをこうしてきちんと機会を活かすハイチ大使館はいい仕事してると思いますよ。

大使館員からしても祖国帰るより絶対に東京にいたほうが安全だもんな。

 

ドミニカ共和国館

修羅の国と化したハイチと国境を接する隣国がドミニカ共和国。

こちらはハイチと違って安定して発展しています。

カリブ海地域の独立国家では初めて地下鉄も開通させましたね。
(※既に都市高速鉄道のあるプエルトリコは独立国家ではなくアメリカ属領なのでカウント外)

国境のこちら側とあちら側でここまで天国と地獄みたいな違いがあるのも珍しい気がします。

ドミニカ共和国は野球が有名で、日本にもアメリカにもドミニカ出身のプロ野球選手がいますね。

野球は特別なスポーツみたいな展示あった気がします。日本との結びつきも書いてたかな。

もちろん野球以外にもいろいろと紹介されていました。これカーニバルの衣装だったかな…

 

 

このように名産のカカオを使ったチョコレートやコーヒーの展示もあったのですが、

近くにスタッフがいるわけでもなく…たぶん売り物じゃないんですよね。

なんでだよ。自分ならドミニカ産チョコレートここで売ってたら普通に買うぞ。

ガラスケースに入れて展示するだけなんてあまりにもったいない。

カンボジア館に引き続き、こうしてあんまり自国モノを売る気ないのが残念だなー。

ドミニカ共和国の関係者の皆様、何か物販ブース作っていただけるときっと売れると思いますよ。

"Not for Sale" はウクライナだけでいいんですよ(←これはウクライナ館行った人はわかりますよね?)

 

ジャマイカ館

自分たちの国のシンボルとかアイコン、売りになる物がある国はアピールに有利です。

その点でジャマイカはものすごく恵まれていますよね。

誰がどう見ても「あー、ジャマイカだわ」っていう有名なものをフルに動員してきます。

自分たち『らしさ』をよーくわかっている。

 

 

レゲエ、ボブ・マーリー、ブルーマウンテン、ウサイン・ボルト、クールランニング…

見ての通りフルスロットルのジャマイカてんこ盛りパビリオンです。

これだけ揃えられたら印象に残るし、来場者にも好印象ですよね。

やっぱね、自分に売りとか強みがあるってものすごく大きなアドバンテージなんですよ。

それは人でも国でも同じです。

仮にもし他に七難も八難もあったとしても余裕でカバーできますから。

ジャマイカは治安が相当に悪く、経済的にも決して豊かではない国なのですが、

ここはそんなことを微塵も感じさせないポジティブイメージであふれています。

自分たちらしさをわかってるからこそっていうこの見せ方。うまいよね。

 

シエラレオネ館

万博に参加する国には規模の小さい国や、展示品があまりない国もありまして、

そういう国を集めたパビリオンがちょっと目立たない奥まった場所にあります。

 

 

こうして展示品がいくつかの長テーブルに納まってしまう国がこちら。

チャド、カーボベルデ、そしてシエラレオネです。全部アフリカの国ですね。

 

 

例えばチャドはこうしてテーブルいっぱいに民芸品を並べて、

うちの国こういうもの作ってますよっていうアピールをちゃんとしています。

チャドは脆弱国家ランキングでもワーストに近い最貧国なのですが、

それでもこうして名産品を集めて日本の皆さんに自国の良さを伝えようとしています。

ではそれを踏まえてシエラレオネのパビリオンをご覧ください。

 

 

写真パネルと映像を流しているモニターが1つずつ。

テーブルの上にはシエラレオネとはあまり関係のなさそうな鉢植えのみ。

インドみたいに工事中という表記もないということは、おそらくこれで全てなのでしょう。

シエラレオネって国はここまでなんもないんか?

最貧国とはいえソマリアやハイチでさえちゃんとしたパビリオン作ってたのに…

ここを超える簡素な展示は他にありませんでした。マジで何もない。

なんならパンフレットさえない。まともにあるのはスタンプだけ。

昔『ダウンタウンのごっつええ感じ』で番長たちが地方の名物や有名人などを歌にして競うような、

そういうコントがあったんですけどね。ごっつのメンバーが番長になって歌うんですよ。

で、松本人志が福井県代表の番長役で出てきて何か歌うけどせいぜい「星きれい」とか、

福井県には名物も有名人も一切何もない的なボケをするという内容でした。

お前んとこなんもないんか?みたいな。

実際の福井県は恐竜やら一乗谷やらメガネ製造業みたいな中小企業やらいろいろありますけど、

シエラレオネのここまでの何もなさを見てそのコントを思い出してしまいました。

蔵野孝洋(ほんこん)のセリフがどうしても出てきてしまうんですよね。

「なんか産業ないんか産業?」…シエラレオネもうちょいがんばれよ、ほんまに。

あんたらんとこ掘ったらダイヤモンドめちゃくちゃ採れるやろ。なんでそこ触れへんねん。

 

コートジボワール館

 

【コートジボワール…カカオ産出国のリーダー】

このようにパビリオンにも書いてあるように、ガーナと並ぶカカオの産地です。

床や壁のイラストもカカオとチョコレートの線画でいっぱい。

チョコレートはほとんどの子供たちも大好きなので、こういうアピールはいいですね。

今この地域でカカオの木の病気が流行っていてカカオの減産が続いていることで、

世界的にチョコレートの値段が上がっております。

明治のヤンヤンつけボーも今200円近いですよね。あれ100円ぐらいだった気がするのに。

自分の大好きな明治アーモンドチョコレートも238円とかして当たり前ですもんね。

あれだってちょっと前まで万代の特売で150円ぐらいで買えたのに。

世界的に需要が旺盛な中で供給が不足してしまっては値上げも致し方ありません。

それにしても思うのは『モノカルチャー経済』ですよ。地理の時間に授業でやりましたよね。

何か単一の作物や鉱物にほぼ全振り状態のためにそれの価格と産量に国の経済が左右されてしまう。

コートジボワールを見ているとカカオ一本足打法状態なことがはっきりわかります。

自分が中学の地理でモノカルチャー経済教わったときとおそらく変わっていない。

この30年弱の間にコートジボワールは果たして何をしていたのか。

西アフリカの優等生的扱いだったのにいきなり内戦やったりしてましたよね。

政治が不安定かつ特定の作物頼みで製造業が育っていないアフリカ諸国。なんか産業ないんか産業?

またほんこんさんが出てきてしまう。

果たして21世紀はアフリカの世紀になるのか?この大陸は本当に最後のフロンティアなのか??

援助があってもアフリカを発展させる軌道に乗せる難しさというのを感じてしまいます。

 

東ティモール館

オランダ領インドだった現インドネシアにあって唯一ポルトガル領だったのが東ティモール。

インドネシアの占領から独立したのが2002年。アジアでいちばん若い国です。

 

 

隣国のインドネシアが『多様性の中の統一』を国是に掲げる多民族国家であり、

ティモール島自体もスマトラからイリアンジャヤに至る島々の一部であるため、

建築物や民芸品を見る限りは独立国というよりもインドネシアの一地方のようですが、

まだ独立してからわずか23年ですからね。

きっとこれから東ティモールらしさを模索して構築していくのだろうと思います。

場所柄リゾート開発とかいけそうな気もするんだけどな。

何やらいろいろな鉱物を産出するらしいことは展示品でわかります。

こうした鉱工業が発展するなら東ティモールの未来も明るくなりそうですね。

 

 

エチオピア館

エチオピアは欧州列強に植民地化されなかったアフリカで最古の独立国であり、

『チンチンがモチモチ』で有名なアムハラ語のゲエズ文字でも知られていますが、

何よりもエチオピアこそがコーヒーの原産国ですよ。

コーヒーの淹れ方にも茶道のようなしきたりがあった…と思います。

そういう国ですので、パビリオンに入った瞬間にコーヒーを勧められます。

日本語が大変に流暢なエチオピア人女性に笑顔で「コーヒー苦くないよー」って言われます。

子供でも飲めるよーなどと勧められるので、一緒に周っていたうちの長男にも飲ませてみました。

子供にはまだ味がわからないので仕方ないのですが、子供は渋い顔してましたね…。

なので自分がほぼ全部飲みました。すごく飲みやすいです。

コーヒーが本当に苦くないんですよ。苦みがないかわりに酸味をしっかりと感じましたけど。

そしてここが大事なのですが、ここで飲めるコーヒーは無料です。

飲食物はどこに行っても万博価格じゃないですか。

チュニジア館みたいにコーヒー少量で1000円というのが当然というスタンスの中で、

カップ1杯のコーヒーを無料で振る舞ってくれるエチオピア館は貴重です。

これが本場の意地みたいなものなのでしょうか。

写真を撮り忘れたことが悔やまれます。

ただし妻が言うには出て来るコーヒーの濃さは一定ではない…とのこと。

こういうアバウトさも含めてその国らしさを体験するのも万博の良さかもしれませんね。

なお、エチオピア館に入ってもスタッフがいない場合があるのですが、

そのときはバックルームでコーヒーカップを洗いまくってる最中です。洗い物の音が聞こえます。

のんびり待ちましょう。スタッフはそのうちお盆いっぱいのコーヒーを持って出て来ますよ。

これだけ皆様にコーヒーを振る舞うなら、コーヒー豆も売ってくれればいいんですけどね…。

明らかに売ってなさそうなんですよね…試飲までしてチャンス作ってるのにもったいない。

 

フィジー館

フィジーはポリネシアに属する国です。南の島ですね。

この地域の中心的な国だそうで、南太平洋大学のメインキャンパスもフィジーにあるそうです。

こう書くと皆様にはさぞフィジーが先進的で発展してそうな感じに読めるだろうと思いますが…

結論から申し上げますとめちゃくちゃゆるーい国でした。

南の島の人々ってそんな感じしますよね。まさにイメージそのままですよ。

ああいうパビリオンにいる外国人スタッフってそこの国の政府関係者の場合が多いはずです。

メジャーな国なら民間人スタッフだけでも回せるんでしょうけど、

日本国内に何人そこの国民がいるかわかんないようなマイナーな国はそうはいかないでしょう。

なのでフィジー館にいるスタッフは(顔立ちからしても明らかに)フィジー人なのですが、

物販ブースにいた人から直接聞きましたよ。

「フィジーでも仕事は8時間勤務だけどみんな5時間しか働かない」って。

なんやねんそれ。たぶんあとの3時間は食うか遊ぶかしゃべるかして過ごしてるんだろうな。

これをこっちが聞いてもないのに自分から話してくるフィジー人。いい奴です。

その物販ブースは万博価格とはいえコモンズ館の出展国にしては品揃えが大変に充実しています。

よく冷えた缶ビール、ラム酒、砂糖、チリソース、アロハっぽいシャツ…

フィジーブランドの商品がいっぱい。さっきのスタッフも売る気満々で接客してくれます。

自分は1缶1000円ぐらいのビール飲みましたよ。水みたいに入る系の軽めビールでおいしい。

展示品も充実しておりました。

 

 

ブレてしまってるものしかなくて申し訳ないのですが、食品や工芸品が並んでおります。

たいていのパビリオンでは『展示品にお手を触れないでください』と注意書きされていますが、

フィジーの展示品は触れるものが多かったです。もちろん触れないものもありますよ。

ご自由にお持ち帰りくださいという冊子やパンフレットも日本語版でちゃんとあり、

特に Bula Fiji という冊子が個人的には面白かったですね。持って帰ってきました。

フィジーは旧イギリス領なので英語圏ということもあって語学留学の広告記事があるのですが、

なんていうか、こう…嘘つけないタイプの人が書いたんだなって感じで好感が持てます。

例えば「フィジーは他国と比べても治安も悪くないので」って書いてありますけど、

はっきり治安がいいと書けない理由がきっと何かあるんでしょうね。正直ですね。

あと「学校が楽しいから不登校気味の子でも前向きに行くようになれますよ」って書いてますけど、

ここでも「朝から鳥がうるさい」「ネットは遅い」などと正直に書いてしまっています。

そのへんはデメリットだろ。黙っときゃいいのに言っちゃうこの感じは嫌いじゃないですね。

そう書いてある記事から数ページ後にフィジーへの投資を促す記事があるんですけどね、

そこには高度なICT接続環境と競争力の高い通信セクターを有すと書いてあるんですよ。

あんたらさっきネット回線遅い言うてたやろ。速いんか遅いんかどっちなん?

あんまり整合性を考えずに書いてるのか、政府関係者が見栄張ってるのかわかりませんが、

細かいことは気にしない人たちなんでしょうね。ゆるくていい国です。

フィジー人スタッフは子供にも優しかったですね。

うちの子は何か儀式用の道具持たせてもらって一緒の写真撮影も快く応じてくれました。

 

 

「フィジーのホテルに泊まるとスタッフは仕事中でも子供に構ってあげちゃう」

それぐらいフィジー人は子供が大好きですよ、と物販ブースのスタッフが言ってましたけど、

みんなして毎日そんなんしとるから8時間勤務が実働5時間になるんちゃうんかーい。

フィジーはリゾートを楽しめるきれいなビーチだらけで観光業の盛んな南の島。

この文章の長さで察していただけると思いますが…この万博のフィジー館のおかげでですね、

自分はフィジーに対してかなり好感を持っております。というよりも好感を持たせてくれました。

出展したパビリオンにはこうやって自国のファンを増やす狙いがもちろんあるわけで、

本腰入れて構えるパビリオンなら訪問者はほぼ必ずその国に対して良いイメージを持ちますよ。

シエラレオネ聞いてるか、今からでも遅くないからもうちょいがんばれよ。

 

その他の国々

 

ミクロネシア館。

こちらも南の島らしく海洋文化の展示がメインでした。

 

 

ベナン館。

日本語の話せるベナン人と言うとゾマホンしか出て来ないのですが、

妙に日本語をしゃべる案内役のベナン人が誰かを案内していました。

あれはゾマホンだったのでは…?ベナン人男性が全部ゾマホンに見えるだけなのか…??

 

 

ジブチ館。

大統領などの肖像写真を掲げているパビリオンは主にアフリカ諸国に多かったです。

ジブチは港湾設備に自信あり的なこと書いてましたね。

 

 

モーリタニア館。

ここにも大統領の写真ありますね。

日本向けならタコ漁の話もっとあってもよかった気がする。

 

 

ナウル館。

展示品の説明文が小泉構文になっているなどとXにポストしたせいで、

ナウル政府観光局X公式アカウントの中の人が謹慎食らってましたよね。

その説明文がある展示品が上の写真です。

 

 

ガイアナ館。

ほとんどの日本人はガイアナなんて国名聞いたこともないと思いますが、

それはこの国が長年ずっと南米最貧国だったからです。

それがつい数年前に超巨大油田が発見されて採掘も始めたためにいきなり産油国となり、

元々の人口が少ないこともあって今や南米随一の富裕国への道が開けました。

ただし民族対立などで今後の政情が不安定化しなければという但し書きはつきますよ。

ガイアナの経済成長率は2019年に4%だったものが、石油を産出した2020年は85.6%…

経済成長率でこんな数字出ます?

国民所得が1年間でほぼ倍増ですよ。30年停滞する日本からしたらうらやましい限り。

あまりに儲かってるので水道光熱費などの公共料金がタダになり、税金も大半が撤廃。

それでも金が有り余ったから成人国民の全員に円換算で1500万円分の現金までプレゼント。

これが年間経済成長率85.6%のオイルマネーパワーです。アラブみたいだな。

とはいえ石油が発見されなければずっとジャングルの国なので、

展示品もナマケモノとかジャガーみたいなジャングルの生き物の見本などでした。

 

アラブ首長国連邦館

 

予約して行ったのはこのUAE館とオーストラリア館なのですが、

5月6日は空いている日だったらしく、どちらのパビリオンも予約なしで普通に入れそうでした。

後で写真載せますがUAE館は確か『ナツメヤシの森』をイメージして作られているそうで、

ナツメヤシ…あのー、デーツですね。スーパーでもドライフルーツで売ってますよね。

あれはオアシスに生えていて、果実は食用に、木の幹は建材として、葉は屋根葺きになどなど…

アラブの民にとってナツメヤシは大いなる恵みの樹なんですよ。

それをイメージしているとあって上掲のパビリオン入口看板の写真がですね、

地面が小豆色の砂利になってますけど…これたぶん全部デーツの種だろうと思うんですよ。

ドライフルーツでは種が抜かれているので見たことがなかったのですが、

こういう使い方もありなんだなーとしばらく地面を見てしまいました。

館内はこのようになっています。

 

 

柱が大地から天空へと伸びるナツメヤシの樹木に見立てられていますね。

ナツメヤシの森を歩いているような感覚になりますよ。

装飾的で伝統的な短剣やコーヒーポットなどもありましたが、

『大地から天空へ』のフレーズらしく航空宇宙関係の紹介もありました。

これはサウジアラビアとも共通するのですが、石油の『その先』を強く見据えています。

いつまでも産油国でいられるとは限りませんからね。ガイアナみたいに新たな産油国も出て来ますし。

他の産業を育成できる原資をアホほど持ってる国は強いなと感じますね。

 

 

オーストラリア館

国としての歴史は浅いオーストラリア。

あまり歴史的な何かをご紹介する的なものは持っていません。

それがない代わりに大いに誇れるのは自然の豊かさです。

上から見たパビリオンはこんな感じ。

 

 

それが中に入るといきなりこういうジャングルになっている。

人工的であっさりしたパビリオンの外観からは想像していなかった驚きに思わず声が出ます。

館内には小川も流れています。よくこれ作ったな。すげえよオーストラリア。

 

 

木から流れ出る樹液だけでなく、もちろんオーストラリアらしくコアラもいますね。

このジャングルを抜けた先にあるシアタールーム、そちらでは深海へと潜る海の映像でした。

サンゴ礁にイルカとクジラ。グレートバリアリーフがある国だからこそ。

大人だけでなく子供にも大満足のパビリオン。うちの次男はここが最も気に入ったと言ってました。

ちなみにここも予約して行ったのですが、空いてたので予約なしでもあまり並ばなかったようです。

でもこれから人気が出たらどうなるかはわかりませんので、一応ご予約をお勧めします。

 

サウジアラビア館

次の万博開催国はサウジアラビアだそうです。

だからこそなんでしょうね、おそらくものすごい気合いを入れて作られている。

個人的には今回行ったパビリオンでどこが良かったかと聞かれたら真っ先にここと答えます。

 

 

上から見たらこのような造りのパビリオン。

中東から北アフリカにかけてのイスラム都市の旧市街はメディナと呼ばれていますが、

はっきりとそれを現代的に解釈して作られています。実にアラブらしい。

 

 

入り口側から見た外観。

この幾何学的造形が実にイスラム的で良いです。

ルイス・カーンの建築がイスラム色の強い地域に向いているのもよくわかります。

だからアーメダバードとダッカに作品があるんでしょうね。

カーンの作品が仮にインド亜大陸地域でなく中東にあっても何ら違和感ないと思いますよ。

 

 

パビリオン内の通路はメディナを歩いているかのような感覚。

窓のない壁ばかりの細い道をくねくねと歩き、ふいに広場や中庭が顔を出す。

現代的に解釈しつつも基本の構成は極めて伝統的で、この調和が非常に巧みと感じます。

決してやっつけ仕事でできるようなクオリティではありません。サウジは本気です。

 

 

ここはサウジアラビアの芸術を紹介する部屋。

絨毯やステンドグラスを見ているかのような光のデザインは素敵でした。

伝統ある芸術を現代的に解釈するというのはパビリオン自体とも共通していますね。

 

 

アメリカに抜かれるまで長らく世界一の産油国だったサウジアラビア。

その有り余るオイルマネーを有望なジャンルにガンガン投資しまくるのはUAEと同じ。

医療や航空宇宙産業と環境保護なども展示がありましたが、

それ以外にも豊富なカネに支えられたプロジェクトの数々が紹介されています。

砂漠のど真ん中なのに緑豊かな公園を作るとかも十分にすごいのですが、

その中でも特にぶっ飛びすぎてわけわかんねえよというのが "NEOM""The LINE" ですね。

この手のプロジェクトはたいていがぶっ飛びすぎててアンビルトと化すものですが、

サウジは本気でこれの工事を始めています。本当に驚いています。

むしろ本気過ぎて建設地域に住む反対派を射殺したり死刑にしてまで進めているわけで、

我々はいつかこの究極的な人工都市の完成をニュースで知る日が来るんでしょうね。

サウジは政府に批判的なジャーナリストをとっ捕まえてバラバラにして酸で溶かして流したり、

広場での公開処刑で処刑人がでかい鉈みたいな刀で罪人の首切ったりする国ではありますが、

自国民なら『良い国民』であれば、旅行客も『良い人間』であればそういう目には遭いません。

こうやって書いてるとサウジ政府は神羅カンパニーでNEOMがミッドガルのようにも思えますけど、

大多数の『良い人々』であれば先進的なテクノロジーが支える未来社会の恩恵を享受できる。

ワッハーブ派を国教とするサウジアラビアらしい勧善懲悪の世界観の現れですね。

でもムハンマド・ビン・サルマーン王太子が実権を掌握してからは変化が見られるようで、

厳しすぎた戒律からの開放と娯楽推進の政策に大きくシフトしているようです。

だってSNK買収するぐらいだもんな。ムハンマド王太子…たぶん次期国王かな。

そんなゲームとアニメ好きの王太子の影響が感じられるのが物販コーナー。

 

 

サウジアラビアの漫画が売られています。

マンガアラビアという雑誌と何種類かの単行本。

雑誌はちょっと同人誌的な感じもあるのですが、何がすごいって全部日本語に訳されている。

画風はジャンプとアメコミの間ぐらいとでも言いましょうか。

ちょっと立ち読みしましたけどなんか面白そうなんですよね。

ワッハーブ派はこれの出版をOKとするファトワを出したのか?

キャラの衣装的にアウトな感じのもあるけど…OK出してなきゃあの国で出版できねえよな。

これだけ今回の万博で日本の皆様にサウジの漫画を知ってほしいのでしょう。

ここには明らかにムハンマド王太子の意向が働いていると見るべきです。

日本の航空自衛隊が導入を目指す次期戦闘機をイギリスとイタリアと共同開発していますが、

サウジアラビアはこの共同開発のパートナー国になりました。

日本とサウジはともに親米で友邦なのです。だから次の万博はみんな来てね、っていう。

まあその戦闘機共同開発の政府間機関を略してGIGOと言うらしいのですが、

サウジがパートナーになったGIGOとか聞いたらこっちのGIGO説とか言いたくなりますよ。

カフェは行列、レストランは予約で満席。

サウジアラビア館は人気が出るのもわかります。私個人的にはおすすめです。

 

スペイン館

 

大航海時代の覇権国家だったスペインは海洋国家として、

今回の万博でも海を通じて世界と日本との繋がりをアピールしています。

日本からの遣欧使節団を受け入れたり、今でも当時の日本人が先祖の村があるよって話とか、

私掠船という名の海賊使って襲ってきたイギリスがいかにくそったれ野郎どもかという話とか、

海洋にまつわる展示はいろいろありましたね。歴史を知ることができます。

海洋にまつわる先進技術の紹介もありました。環境保護とか洋上発電などですね。

それらをモニターやスクリーンに映像で流すのではなくホログラムで表示しています。

あれ、スペインってこんなに近未来ハイテク国家だったっけ…?

 

 

暗い上にブレているのでわかりにくいですが、空間上に映像が立体で映ります。

他にも何か研究所みたいな展示がなされていて科学技術立国な感じを醸し出しています。

なんか思ってたスペインと違くない…?

俺の見たスペインはバルセロナもマドリードもコルドバもグラナダもこんなじゃなかったぞ…

 

 

と思っていたら海洋展示ブースを抜けた先はこんな感じでした。

これだよ、これがスペインだよという色使い。

マリーゴールドかマンダリンみたいな鮮やかなオレンジ色の壁にぎっしり飾られたポストカード。

この部屋に書かれているのは "Saludos desde España" 「スペインからのごあいさつ」ですよ。

きちんとスペインは我々の期待を裏切りません。彼らはちゃんとわかってますよ。

スペイン館スタッフの衣装は水色のスーツに白いハット。この配色もいいですよね。

予約のみになるようですがフラメンコショーもあります。行列できてました。

ワインスタンドもありました。レストランもありました。

そして物販コーナーが広い。フィジー並みに物を売る気満々です。

瓶詰めオリーブ、オリーブオイル、ワイン、ビール…いろいろありました。

スペインビールはたぶんグランフロントでも買えるし、ルクアのバルチカでも飲めますよ。

オリーブとかケッパーの瓶詰もOKストアのネットスーパーで実際に買えます。

でもそれをここに置くということはスペイン大使館がスペイン産と認めたということ。

瓶詰めも裏見たらちゃんとアンダルシア産って書いてあったもんな。

我々の知らないスペインと、我々の知ってるスペイン。

両方をちゃんと見せてくれるスペインパビリオン。行って良かったです。

 

タイ館

雨の多いタイでは屋根に反りを持たせるのが寺院などの伝統建築なのですが、

それを万博で作ろうとしたらスペースが足りなかったようです。

なので半分だけ作って大きなミラーパネルの壁に映すことでタイ建築を再現しています。

これ考えた人すごいですよね。いいアイデア。

入ったらタイ人スタッフの説明トークの後に映像ルームへ移動。

そこを出たらタイは医療に力を入れています的な展示のお部屋。

タイってバムルンラード病院みたいな株式会社のメディカルグループあるもんな。

たぶんこういう展示で知名度広げてメディカルツーリズムでタイを選んでほしいんだろうね。

心臓病の子供をアメリカで手術するために〇億円必要なんで募金してくださいとか、

なんかそういうのときどきあるじゃないですか。

あれ何でたっかい金払ってまでアメリカ行こうとするんでしょうね。

タイとかインド行ったら日本よりは高いけどアメリカより格安で移植医療受けれるだろうに。

ドクターの腕だってそれこそアメリカの病院にいたような経験豊かな外科医がいるでしょう。

アメリカで経験積んだ医師が祖国に帰って来るパターン多いですからね。

株式会社が運営する病院ですから腕のいい医者をヘッドハンティングしてますよ。

日本もさっさと医療法人の収益活動禁止なんか廃止して病院に金儲けさせればいいんだよ。

外国人に国民健康保険使わせて格安で医療サービスを提供するのをいつまで黙認しているのか。

金払う気のない外人は母国に問答無用で厳しく送り返さないといけない。生死の境目とか関係ない。

どうしても日本で医療受けたかったら医療滞在ビザ取得して自由診療で来いって。

こうやって金持ち相手に稼げないから日本の医療は公金にたかるんだろうから。

まあ…仮に富裕層向け医療を解禁したとしても日本の病院にそういうノウハウないですから、

日本の医療市場は外資が牛耳って日本人はいつまでも蚊帳の外な未来が見えますね。

たぶんタイのバムルンラード病院とかインドのアポロ病院が進出してきてシェア取られるだろうな。

そんなタイは先進医療だけじゃなくて伝統医療も大事にしています。

なんせタイ料理は薬草食べてるようなもんですし、寺院で古式マッサージしてますもんね。

次の展示ブースではいろいろな薬草の匂いを嗅がせてもらえます。

こういうときにタイ人はパイマックルートを出してきます。こぶみかんの葉っぱ。

やっぱりなって感じですよ。タイ料理によく入ってて日本人にもある程度は馴染みがあるから。

この部屋にはオープンキッチンがあってタイ料理をテイクアウトできるようです。

なんでこの日やってないんだよ。残念。

テイクアウトメニューにソムタムあったから営業してたら確実にオーダーしてました。

出口近くの物販コーナーはいろいろと充実してましたね。

個人的にはなぜかエヴァンゲリオンのディフューザーがひっそり置かれていたのが謎でした。

一応売り物だとは思います。床近くの棚にほんとにひっそりとありましたよ。

 

トルクメニスタン館

今回万博に行くなら必ず行こうと思っていたパビリオン。

Xでも噂のトルクメニスタンですね。

中央アジアのカスピ海東岸にある謎の独裁国家…このイメージだけが独り歩きしています。

トルクメン人がベラルーシ行ったときに「こんな自由な国に来たの初めて」などと言ったっていう、

そんなようなことを以前に何かで見たのですが、それが事実ならだいぶヤバいやつですよ。

ルカシェンコがじゃがいもガチ勢でネタ枠扱いだけど、ベラルーシに自由を感じるってよっぽどだぞ。

そんな謎の国トルクメニスタンはコモンズ館ではなく単独で立派なパビリオンを出展しました。

 

 

トルコ系民族の遊牧民の国であることを押し出したエキゾチックな外観。

3階部分のラクダのシルエットからはここがシルクロードの国であることが伝わります。

1階外壁には大きなスクリーンがあり、いろいろな映像が流されていました。

トルクメニスタンの雄大な景色、草原を駆ける馬、一面に広がるチューリップ…

チューリップって元々はトルコ原産ですからね。あれオランダの花じゃないんですよ。

だからオランダよりも同じトルコ系民族のトルクメニスタンのほうがチューリップは似合う。

そんなトルクメニスタン館の夜はこんな感じ。

 

 

いや、普通にきれいなんですけど。むしろ昼間よりもいいのでは。

独裁国家は往々にして国威発揚のために妙に外っ面が良いケースばかりなのですが、

トルクメニスタンは外っ面に全力をぶっ込んできました。何やってんだよ。

とても明るいのでこの近辺ではこのパビリオンがすごく目立ちます。

予約なしで列に並び、入場したらこうなっています。

 

 

でっかいでっかいベルディムハメドフ大統領の肖像写真。

コモンズ館のアフリカ諸国でも大統領の肖像写真はよく見られましたが、

トルクメニスタンのそれはどこよりも大きくて立派で神々しさに満ち溢れています。

初っ端からこうですから、この先も大いに期待が持てるというもの。

順路通りに進むとフロアガイドには『没入型ルーム』と書かれたシアタールームがあります。

 

 

トルクメニスタンの歴史とプロパガンダの迫力ある映像に滔々と力強いナレーションが流れます。

朝鮮中央放送もそうだと思うんですけど力強く文章を読むのって独裁国家ではデフォなんですかね?

映像の中には威信をかけて建設が進められている新都市アルカダグもありました。

清浄に光り輝く白亜の都市だけどアルカダグって前大統領(現大統領の父親)の尊称でしたよね?

初代大統領のニヤゾフは常軌を逸した個人崇拝を推し進めたと世界から批判されていましたが、

その一方で後継者に自身の身内を指名することはしなかったんですよ。

こういった国で世襲しないって本当に例外だと思っています。それだけでも驚き。

そうして世襲じゃなくて持ち上がりで大統領になったベルディムハメドフ・シニアは、

自身が辞任した後の選挙に息子が出馬したので、そりゃ当選しますよね。

ベルディムハメドフ・ジュニアはそんな父親を記念する都市を作るということで、

順調かつポピュラーな独裁国家の道を歩んでいますね。

ニヤゾフが世襲しなかった意味なくなってるじゃねえか。王道のストーリーに回帰しちゃったじゃん。

 

 

没入型ルームを抜けた先にはこれが展示されています。

これは写真でも絵画でもなく絨毯です。ものすごく精緻な作りの絨毯。

この犬にはほぼトルクメニスタン人にしか伝わらない何か重要な意味があるのですが、

それについての説明はこれといって見当たりませんでした。

ここを左に向かうと物販コーナーと出口になっています。

物販コーナーに行くとトルクメニスタン産の板チョコ(確か1つ2400円)が売っていましたが、

いきなりそっちに行ってしまってはいけません。トルクメニスタン館は3階まであります。

 

 

元々の遊牧民族らしい細やかな刺繍やイスラムの職人らしい金属細工など、

さらにはタンカーやディーゼル機関車、初心者には難しそうな日本語の教科書まで…

2階にはさまざまな展示品がありました。工芸品は美しかったですね。

こうした立派なパビリオンを出せて、国内でも白亜の都市を首都以外に新たに建設できて、

それでいながら国民は困窮した生活からは程遠い安定した暮らしが送れているのは、

これはもう豊富な埋蔵量のある天然ガスと石油のおかげです。

それを考えれば資源に乏しい北朝鮮が核保有と恐怖政治に走る理由はわかるってもんですよ。

同じ閉鎖的な独裁国家でもカネさえあって国民に還元できればそこまでしなくていいんだから。

資源を武器にできる国は強いもので、資源を欲しがる大国とも平和的に良い取引ができます。

高値で買ってくれればオイルマネー・ガスマネーで国内も潤うというものです。

そうしたお金で国内のインフラも整備するということで、先程の機関車模型の説明を見ますと…

 

 

こうしてしっかりと簡体字の中国語が書いてあるんですね。

オイルマネーちゃうやん、チャイナマネーやん。

このあたりはほぼ全てが一帯一路に早くから組み込まれているんでしょう。

上海協力機構を作って中国は中央アジアを勢力下に置こうとしています。ここは俺らの裏庭だと。

ロシアはウクライナ戦争でガッタガタなのでもはや影響力が落ちていることを思うと、

ここは中国が押さえることになるんでしょうね。あとはトルコとイランがどう動くかだな。

一通り展示を見たら3階へ。カフェになっています。

 

 

カフェフロアには遊牧民の家の中みたいな展示があります。

独裁がどうとか一帯一路がどうとか抜きにして普通にすごくいいんですよ。

出されるメニューは…正直フードはどうということはなかったです。ごめんね。

ただ、ドリンクはカフェラテとあと何か似たようなカフェ系の飲み物があるのですが、

こちらはちゃんとしたグラスにたっぷり入って1杯650円という安心のお値段。

万博価格じゃないんですよ。普通のカフェぐらいの金額。

そしてこのカフェ…奥にテラスがあります。

テラスからは水上の大屋根リング(ウォータープラザ)がよく見渡せます。いい場所に陣取ったよな。

なのでここからはウォータープラザでのショーがめちゃくちゃ良く見えます。

下で見るよりもこっちで見たほうがいいんじゃ、と思うぐらいにきれいに見えるんですよ。

たぶんね、ここ穴場だと思うんですよね。

だからあんまり言いたくなかったんですけど皆様にも情報のおすそ分けということで書きました。

タダでこの特別席を堪能しようなんてさもしい真似は日本人ならやめましょうね。

お布施の意味も込めてトルクメニスタン館のカフェでドリンク1杯ぐらいはオーダーしましょうよ。

というわけで自分にとって初万博の大トリに持って来たトルクメニスタン館。

パビリオンとしては予備知識ゼロで入るとプロパガンダにがっつり洗脳されてしまいそうですが、

ある程度情報を仕込んで耐性つけてから行くなら展示も素晴らしく快適でした。

ただし板チョコを買うかどうかは迷うところです。お土産用マグネットのほうが安いんだもん。

 

万国博覧会の意義

今回たまたま混雑の穏やかなタイミングで万博を訪れることができて良かったのですが、

例え少し混雑していても万博には行ったほうがいいと自分は思っています。

日本人は長らくジャパン・アズ・ナンバーワンの世界に生きて来ました。

エドモンド本田だって「日本一、これすなわち世界一でごわす」ってスト2で言ってたもんな。

日本国内の旅行だって十分に楽しいじゃん、わざわざ海外行かなくても…

こういう考えの人とても多いはずです。何より日本語通じて食べ物にハズレもない安心感。

旅行じゃなくても日本国内にいる限りはなんとなく安定して生活ができる水準はある。

日本の失われた30年は生活水準の劇的な低下をもたらすものではありませんでした。

むしろ時が止まったかのような、30年間ずっと同じ世界に生きてきたようなものだったのです。

そんな我々はコロナ禍による渡航制限、そして円安とインフレによる日本経済の弱体化、

これらを経たことで日本人は今まで以上に日本国内に引きこもることになっています。

日本人のパスポート保有率たったの17.8%ですよ?

82.2%の日本人…概ね5人に4人は現時点で海外には行けないわけです。

海外旅行はおそらくリピーターが大半を占め、一度も行かない人は今後も行かないままでしょう。

 

この国は壮大な井戸であり、日本人はそこに安住する冒険心のないカエルでしかないんですよ。

井戸の外ではこの30年で日本を大きく超える経済成長を果たした国ばかり。

当然テクノロジーや生活サービスもそれに応じた先進的なものを次々と実用化しています。

サウジアラビアが脱石油でSF的都市開発を現実に推し進めているって知っていましたか?

そのサウジを超えて世界一の産油国がアメリカになったことを知っていましたか?

技術と知財をパクる国だった中国がパクるだけじゃなく教育と技術開発に投資を続けて、

中国製の製品も十分に使えるようになり先端技術も自主開発がどんどん進んでいます。

諸外国で研鑽を積んだ医師たちが優れた知識と腕を持って先進医療を提供する国、

それがタイとインドだと聞いたら日本人はどう思うんでしょう。

東南アジアではGrabやGojekなどの配車アプリが普及しているというのに、

日本国内ではGOでもUberでもタクシーしか来ないし雨の日は捕まんないし高い。

もちろん日本の技術は優れていますし、日本での生活は安定したもので素晴らしいです。

日本をディスってこの国は終わりだと言いたいわけでもありません。

ですが我々はそこまで豊かなのでしょうか?そこまで進んでいるのでしょうか?

現実にはそんなに豊かでもなければ諸外国と比べても不便で遅れているのでは…?

これらは海外旅行に行くと嫌でも気付くことです。

現地通貨に両替したら思ってたほど多く返ってこなかったとか、

現地で飲み食いしたりお土産買ったりしたら意外と高かったとか、

そもそもキャッシュレス化が進んでて現金使ってる人ほとんど見かけなかったとか、

なぜか外国の都市のほうが近未来的に見えたりとか…

そういう『差』に気付くことで我々に何が足りないかも見えてくるわけですね。

いいところは残しつつ、足りないものは懸命に追い上げていかなければならない。

停滞は衰退なんですよ。少しずつでも成長していく意識を忘れてはいけないんです。

それに気づくいいきっかけが海外旅行だというのに、あのパスポート保有率の低さ。

万博はそんな日本に諸外国からあれもこれも持って来てくれるわけですよ。

海外旅行ほどではないにせよ、外国に直接触れる機会が向こうからやってくるのはチャンスです。

特に子供たち。まだ知らない世界の国々に今この段階で触れられることは大きいです。

チュニジアのお菓子がおいしかったとか、オーストラリア楽しかったとか、

この経験は大人でさえ楽しめるんですから子供の心にも何かしら必ず残りますよ。

そして各パビリオンにある訪問記念のスタンプ。これがいいんです。

それでスタンプラリーもやっているんですけれども、パスポートの出入国欄みたいなスタンプです。

 

 

自分はスタンプラリー用の台紙ないので印刷したマップ裏に押しまくりましたけども、

これ自体がひとつの思い出にもなりますし、後でこれらの国を調べるきっかけにもなります。

例えば「シエラレオネなんもなかったね、どこにある国だろう?」とか、

「フィジーの人めっちゃ優しかったし海もきれいそうで行ってみたいよね」とか、

地球儀や地図で親子で調べたり探したりができるわけですよ。

こんな機会そうそうありません。実体験できる楽しさは記憶に強く残ります。

こういう国のことを「図書館で調べてね」なんて先生に宿題出されても何も面白くもないわけです。

スタンプだけでなく、もっと自分たちを知ってほしい思いで各パビリオンには冊子があります。

こういった冊子も持ち帰っておくと何かあったときに見返すこともできてなお良いですね。

 

 

万博に行っただけでその国に行った気になるというのは安易すぎるかもしれませんが、

ここで知ったことや得た経験は必ずその『次』に繋がります。

大人なら「今度旅行で行ってみようかな」とか、子供なら「大きくなったら行ってみたい」とか、

万博では普段見ることのできない『井戸の外の世界』へと繋がる窓が開かれているのです。

万博をディスりまくるマスコミ…あんたら在京キー局だから大阪が楽しそうなの気に食わないんだろ?

あれこれ批判する左翼連中…維新が憎いからってひたすら揚げ足取ってるだけなんじゃね?

つまらない党派性に影響されて万博に行かないという選択をするのはあまりにもったいない。

 

それとせっかく万博に行ったならぜひ普段食べない各国の料理を食べていただきたいなと。

いや、お高いんですよ。どこに行っても万博価格だからおいそれと食えないのはわかりますよ。

でもね、わざわざ万博行ってまでコンビニごはんとか何やってんだと。

セブンイレブンとかローソンなんて家の最寄り駅近くに絶対あるだろ。ここで行くなって。

自分はPANAFとかいうアフリカンダイニングブースで謎の食事を買いました。

何だっけ…マフェとかいう名前だったかな。

 

 

何かよくわかんない牛肉の煮込みシチューぶっかけごはんみたいなものにサラダとビール、

これで5000円しました。食事自体にその価値はないかもしれません。

ですが、例えばこれを現地で食べたらどうなるか。

これは西アフリカの料理です。仮にここではセネガルとしましょう。

水飲んだだけで腹下すような地域のメシですよ。相当なチャレンジ精神が求められます。

こうした『現地の料理』を『日本の食品衛生基準』で食べられる機会は貴重です。

まず下痢したりしないもんな。おいしくいただけました。

それだけでもこれには5000円の価値があるというものです。

経験をそれぐらいのお金で買えるならこういうチャンスに買っておくべきなんですよ。

だって実際にセネガル行ってこれ食おうと思ったら5000円じゃ済まないですよ。

航空券だけでいくらするんだっていう話で。しかも現地で食ったら腹下すかもしんないし。

ちなみにPANAF自体アフリカらしい感じで作られており、いろいろな展示や演奏もありました。

厨房のアフリカ人があんまり連携取れておらず絶妙に手際が悪くゆるーい仕事をしており、

オーダー通してきた日本人スタッフに明らかにイラついてるシーンも見れます。

あー、それがきっとアルティメット・パンアフリカン・エクスペリエンスなのかと、

奥の壁面に書いてあるのはそういうことなのかと勝手に思ったりしてました。

こういうの現地だったらもっとグダグダなんだろうな。これもいい経験です。

 

 

今回は日本館を始めとした日本の企業や団体のパビリオンには行っておらず、

まだまだ行けていない海外パビリオンもたくさんあるため、会期中にまた行きたいと思っています。

一度行ったらまた行きたくなる…大阪・関西万博はそう思わせてくれました。

皆様もぜひ行ってみてくださいね。私の言っている意味が分かると思います。

大事なことなので最後にもう一度書いておきますが…

行き帰りが大混雑だと楽しさが半減します。入退場はぜひ【西ゲート】からにしましょう。

それでは皆さんいってらっしゃい!

 

関連記事

まじめな話
パチンコ屋でバイトしてた時の会話を振り返って考えるウクライナ情勢
まじめな話
日本は西太平洋地域をまとめる共同体を直ちに創設すべき(だったんだよ、本来ならもっと前に)
まじめな話
【ガチでいらない】日韓トンネルって本当に必要?