こんにちは。

西宮・夙川にある「マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする」がコンセプトの

小さなプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。

おととしから世界は大変騒がしくなってきました。

ロシアによるウクライナ侵攻、そしてイスラエル対ハマスの戦争。

アジアでは現段階ではあるなしどちらも言われている中国による台湾侵攻の説もあります。

これらはものすごくざっくりした見方をするなら『権威主義対自由主義』の対立ですね。

いや、まあね、イスラエルが自由主義『陣営』の側にいるってだけであれが自由主義かと聞かれると、

それはまぁ…その…みたいな感じにもなりますけども。

とはいえ権威主義のボスは今の世界だと中国かロシアかイスラム勢力かよくわかりませんが、

少なくとも自由主義陣営のボスが誰なのかについては誰しも意見が一致します。

 

アメリカですね。アメリカ合衆国。

 

世界の警察官の立場から少しずつ退いているとはいえ、今も自由主義諸国を支援するアメリカ。

アメリカと同盟関係にある国家は世界の各地にあります。

もちろん日本もその中のひとつ。

戦時下のウクライナやイスラエルをアメリカは支援していますけれども、

果たして日本にもし何かがあったらアメリカは助けてくれるのでしょうか?

そんなことを今回はいろいろと考えました。

本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。

それではどうぞ。

 

アメリカと同盟を組むということ

 

今から80年前、日本はアメリカと全面戦争していました。

総力戦です。

いわゆる戦後の世界ではアメリカが最強の座にあって実質的に世界を仕切っているのですが、

もちろんそれに反発する組織とか勢力とかも世界の各地に生まれたわけですよ。

反米武装勢力とか反米政権ですね。

アメリカがそういった勢力を叩きに行ったり、彼らが自国でそれを迎え撃ったりはありました。

湾岸戦争みたいに敵(イラク)をボコボコにしたこともあれば、

ベトナムのように苦戦に次ぐ苦戦を重ねて撤退したこともありました。

ただ、大陸の本土から遠いハワイとはいえ米国の領土を大規模に直接空爆して先制攻撃し、

アメリカにあれだけの損害を与えて全面戦争した正規の国家って日本しかないんですよ。

あのアメリカに対して国家として先制攻撃ですよ。

とんでもねえことやってくれたなっていう話なんですね。

ニューヨークのWTCに飛行機突っ込んだのはアメリカ社会には相当な衝撃でしたけど、

別にあれはアフガニスタン政府が公式にやったものではないですからね。

そこが真珠湾とは違うところ。

で、アメリカに喧嘩売ったらどうなるかってのはみんな誰しも想像がつくものです。

わかってるから中国でもまだ対米全面戦争どころか台湾にさえ侵攻してません。

アメリカからもらった各種兵器でウクライナに攻撃されてるロシアだって対米戦争はしません。

もちろんアメリカだって対中戦争と対露戦争のどちらもやりたくないでしょう。

アメリカって戦争の勝率そんなに思ってるほど高くないですから。

だから米中露のどこであっても戦争したら自国がヤバいことになる結末しか見えないはずです。

相討ちで相手を潰せたとしても自分らも滅ぶのは目に見えてますからね。

 

でもね、日本は80年前にそのヤバい戦争を実際にやっちゃったんですよ。

欧米勢の不当な包囲網に対抗すべく大和民族の誇りと存亡を賭けた一世一代の大戦争。

結果どうなったかは社会科の授業で何度も見ましたよね。

米軍はほぼ全ての県庁所在地や大都市を片っ端から空爆して全てを焼き払い…

そのために日本の家屋と都市を模した実験場を作ってまでよく燃える対日用の焼夷弾を作って、

「日本は軍需産業も家内制手工業だから市街地を焼いて良い」と判断して絨毯爆撃してますからね。

ルメイ将軍でしたっけ…それ言ったの。

あれで軍需工場だけじゃなくて一般市街地全体を焼き払うことが正当化されて、

何万何十万という一般の日本人が焼き殺されたわけです。

イスラエルがガザを1年3ヶ月にわたって焼き払いましたが、その期間で死者は47000人。

米軍による東京大空襲は『一晩』で8~10万人の死者が出ましたね。

男はたいがい戦地に行ってたから、だいたい本土空襲で死んだのは女子供ばかりだったでしょう。

イラクやアフガンで米軍に空爆されて「こんな酷い攻撃はない」みたいに現地人は言いますけど、

アラブ人が大袈裟に何言ってんだって話ですよ。

大して死人も出てない上に、まだ町の大半残ってますからね。

まあね、空爆だけで言えばドイツも相当やられてますけども。ドレスデンとか。

だとしても日本の都市って本当に片っ端からアメリカに焼き払われたんですよ。

戦前からの市街地ほとんど残ってないのがその証拠です。

沖縄戦だって一家全滅どころか集落全滅ぐらいの被害もざらにあったわけで…

だから今のガザに対して日本人が同情的になるのは理解はできますよね。

空襲の被害があれに近いから。ハマスを支持するかは全く別の話ですけども。

それだけ焼き払われてるのに、とどめに種類の違う原爆を1発ずつ市街地に実戦投下。

そしてこの2025年になっても「日本は1945年から何も学んでいない」などと、

当時生まれてもなきゃ生粋のアメリカ人でさえない鉄鋼会社のCEOに暴言吐かれるほどの恨みを買う。

これが国家を挙げた対米全面戦争の結末ですよ。

『ゴンカルベス』って英語読みさせて「我々はアメリカだ」とか言うけどお前ブラジル生まれじゃん。

国務省も国防総省も、当事者のUSスチールの労働者も日鉄の買収に賛成だったんだぞ。

『ゴンサウベス』はアメリカ人のフリしてねえでブラジル帰れよ。

 

 

アメリカと同盟を組む、ということは少なくともアメリカは我々の味方であるということです。

それが対等ではなく不平等な同盟関係であったとしても。

現代の世界において『アメリカを敵に回さないこと』がどれほど国家の存立において重要か。

日本では左翼の連中がアメリカ出て行けだのさんざんコケにしくさってますけども、

彼らでさえ『アメリカが日本を攻める可能性』というものを全く考えてないんですよね。

一切反論も反撃もして来ないから安心して悪役に仕立て上げて叩けるわけです。

安倍さん相手にもそうでしたよね。

どれだけ叩いても反撃して来なかったから死してなお叩かれてるわけで。

卑怯だと思いますよ。ああいうの。

「女の子に暴力とか最低」だの言うくせに自分は男にぐちゃぐちゃ言って叩く女みたいなもんです。

反撃されない安心感みたいなもんがあるからナメた態度が取れるわけですね。

ああいう女は2~3発ぶん殴っていいと思いますよ。

卑怯に対しては武力で制裁して構わないし、遠慮なくそうすべきです。

辺野古とかの基地問題だって何者かの支援を受けてやりたい放題の『市民団体』を名乗る左翼の連中、

あれだってまあまあ卑怯な妨害活動してますからね。

ダンプカーに轢かれて死んだ警備員まで出てるし。本当に胸糞の悪い話です。

今の法体系では無理ですけど、本来ならああいう活動家は数人ぐらい撃ち殺しておくべきなんですよ。

誰も止めない反撃して来ないとわかってるから妨害活動に歯止めが効かないわけで、

やり過ぎたら殺される恐怖感があれば各自で勝手にブレーキかけるもんですからね。

仏の顔は三度まででよくて、それ以上は暴力で黙らせたほうが不穏の芽を摘めて平和ですよ。

神様だって仏様だっていつも慈悲深いわけじゃないですから。神罰も仏罰もあるわけです。

で、現代日本の守護神はアメリカ様です。

協力的であればある程度それなりに守ってくださっていますね。

もちろんたまに何か警告めいたことは言ってきますよ。

橋本首相が昔「アメリカ国債売りたくなるね」って言ったらいろんな大物が日本に来ましたからね。

レッドラインを超えないようにしてねっていう神罰手前の警告はたまにある。怖いけど慈悲深い。

だとしても。

我々日本人は『アメリカに攻撃されないこと』にあまりにも慣れ過ぎています。

それは日米同盟のおかげでアメリカが味方としてすぐ近くに居続けたからですね。

だから戦後日本は経済に全力でいられたわけです。それで今の豊かな生活がある。

 

アメリカが攻めて来ない。これ本当にすごく大きなことなんですよ。

 

右翼が対米自立を叫んだり、左翼が中国シフトしてアジアの時代を作ろうとか言うじゃないですか。

日本が自らの意思でアメリカから離れ、彼らが我々を敵と認識したとき。

アメリカは容赦なく日本を攻撃します。

「するでしょう」みたいな推測じゃなくて、しますって言い切れる形で確実にそうしますね。

そのときは日本は再び焼け野原になります。ガザ見ました?

住民がやめてって言ったって「ハマスがいなくなるまでやる」ってイスラエルが言ったらやるんです。

日本人がやめてって言ったって「反米ゲリラ全部殺すまでやる」ってアメリカが言ったらやりますよ。

国際社会はそれを止められないですから。

ましてや今の世界は国連(って都合よく訳すのやめて『連合国』って正式に言うべき)の、

特別な権利を与えられた安保理常任理事国を頂点とした統治体制です。

このシステムの憲章上では未だに日本は敵国扱いです。旧敵国条項残ってますからね。

これがあるうちは日本が国際社会の敵として認定されたら我々を叩くことを誰も止めませんよ。

現状は日本がそうならないから死文化してますけども。

そうなってないのは日米同盟があって日本がアメリカに従属しているからでしょうね。

そんな我々の日米同盟は『中国、北朝鮮、ロシアから日本を守る』ためにあるものとされていますが、

何よりも『そもそもアメリカが攻めて来ない』はとてつもなく大きなメリットなのです。

アメリカに攻められそうな国…日本の近隣にもいくつかありますけど見てくださいよ。

どこもみんな核持ってるから。

そこまでしないと安心できない…いや、そこまでやっても安心できてないでしょうね。

ついでに北朝鮮の涙ぐましい努力も見てあげてくださいよ。

祖国を支える人民の生活完全無視で核開発に傾倒してまで米中露と対等になろうとして、

アメリカまで届くテポドン作って「俺たちと話そうぜ」ってちょっかい出してるわけです。

テポドン2号の正式名称がウナ3号だかファソン13号だかは自分にはどうでもいいのですが、

結局あのICBMは実戦用じゃなくてアメリカに対するメッセンジャー的な役割ですよ。

そうまでしないと彼らは「いつか自国がアメリカに滅ぼされる」という恐怖感が抑えられない。

日米同盟のおかげで日本はそうならずに東アジアでこの80年やって来れた…

実は我々の日常って東アジア情勢的にはすごく幸運なのです。

 

実は逃げ足めっちゃ速い米軍

 

さて、そんな守護神アメリカ様。

かつて中曽根首相が「日本は不沈空母」みたいなこと言ってましたけど、

冷戦時代の日本は共産主義の防波堤であり、米軍にとっての沈まない空母だったんですね。

すぐ隣にソ連も中国も北朝鮮もあるわけですから。この立地条件は今もほぼそのままですけど。

こんな地政学上の超がつくほどの重要地点に日本はあります。

南北を逆さにした地図で東アジアを見たらですよ…日本~台湾~フィリピンにかけて連なる島々。

中国やロシアにとってこれがいかに障壁となっているか。

外洋に出たいのにアメリカによって鎖で封じられているようなものです。

この地域を守るために日米同盟も、台湾関係法による米台同盟や米比同盟などがあるわけですね。

このために日本にもフィリピンにも米軍基地が置かれています。韓国にもありますね。

この地域における武力を用いた不測の事態でアメリカの国益が脅かされるとき、

米軍が速やかに動いて対処できるような布陣が常に敷かれているということです。

 

ただ、米軍自身が「これは本当にヤバい」と思ったとき。

彼らは直ちに撤退します。

損切りラインは徹底されてるんでしょうね。組織として素晴らしい。

これを最もわかりやすく見せてくれたのが東日本大震災における福島の原発事故です。

あのとき福島第一原発の原子炉が爆発して放射能が漏れましたね。

で、当初は関東一円にも濃い放射能が広がるとの予測地図がありました。

それを受けて例えばフランス政府は在日フランス人に東京から出ろと指示出してましたね。

アメリカもそうでした。

アメリカ人に対して東京どころか東日本から離れろという指示が出たんでしょう。

普段ならアメリカ人でいっぱいの横須賀のアメリカ海軍基地。

我々横須賀市民が『ベース』と呼ぶあの場所から、あのときアメリカ人がほとんど消えました。

基地で働く知人が「今のベースはゴーストタウン」などと言ってましたから。

横須賀市内には基地の外にある普通の市街地にも軍に関わるアメリカ人が多数住んでいます。

彼らも一瞬にして消えたのです。逃げました。

うちの母親の友人に不動産屋で働く人がいまして。市内の賃貸物件を扱うお店。

ここに2011年3月半ばのある日、電話がかかってきました。

この不動産屋が管理する物件の向かいに住む高齢女性からだったそうです。

 

老婆

なんかうちの前にゴミ袋に入った食品がたくさんあるけど何なの?
ここお宅の物件でしょ?何とかしてよ

 

こう言われて不動産屋は入居者に電話しました。相手はアメリカ人です。

 

不動産屋

もしもし、向かいの方からゴミが放置されて困ってるって言われてるんですけど

アメリカ人

あれはゴミじゃない
いま避難してるから家の食材を袋にまとめたんだ
よかったら隣の人に食べてほしくて家の前に置いた

不動産屋

避難?どこにいるんですか今??

アメリカ人

今は沖縄にいる

 

住んでたアメリカ人は福島第一原発が爆発してから直ちに避難をしたようで、

おそらくは沖縄の米軍基地に逃げたのでしょう。

 

不動産屋

なんかもったいないから食べてほしくて置いたって言ってますけど…

老婆

いらないわよこんなの、何とかしてよ
向かいの人どこ行ったのよ

不動産屋

いや…それが原発事故があったから沖縄に避難してるってことで…

 

食材をどうしたらいいか…不動産屋はまた入居者のアメリカ人に電話したそうです。

 

不動産屋

向かいの人いらないって言ってますけど…

アメリカ人

それなら処分していい

不動産屋

でしたらそちらで処分してほしいんですけど…いつ戻ってきますか?

アメリカ人

戻らない、これからグアムに行くから

 

という話だったので結局不動産屋のほうで食材は処分したようです。

このアメリカ人、沖縄まで逃げてもまだ不安だったんでしょう。

一瞬にしてグアムまで退いたわけです。

これまだ3月の十何日かの話ですよ。退避を決めたら速いものですね。

アメリカ軍は合衆国の国益を守るためにあります。

逃げたほうが国益に適う、そのほうがいいと判断したら即座に退却するのです。

当然の話なのですが、アメリカ軍ですからアメリカの国益を第一に考えますので、

彼らの『損切りライン』で切られるのは我々日本人のような現地住民です。

アメリカ人じゃないですからね。守る理由がない。

バイデン大統領がアフガニスタン戦争は終結したと言ってアフガンから米軍が撤退するという…

これもう4年前でしたかね。そんなことがありました。

タリバンが復権するということで…自由を望むアフガン人は撤退する米軍にくっついて逃げようと、

あのとき離陸しようとする飛行機にしがみつくアフガン人の映像ありましたよね。

どう考えたってあんなことしたら普通に死ぬんですけど、それでも逃げたがってた人がいて。

そこまでのことはある種の不測の事態なので仕方ないんだろうと思うのですが、

車輪とかにアフガン人しがみついたまま飛行機は普通にそのまま離陸しましたよね。

で、当然しがみついたアフガン人は力尽きて落下して死ぬ。

でも機内のアメリカ人が無事に退避できればそれでいいのですよ。

そこまで無茶苦茶なことするアフガニスタン人を守る理由はアメリカにはないですから。

自分たちだけ無事に逃げ切るのを…あれは視覚的にわかりやすく見せてくれましたね。

 

米軍もそうでしたけど、当時のアフガニスタン大統領だったガニ氏もさっさと逃げましたね。

ガニ大統領はソ連のアフガン侵攻後は長らくアメリカで暮らしてましたから、

アフガン人って言うよりアフガン系アメリカ人みたいなもんだろうとも思うんです。

我先に逃げたくなる理由はわかりますよ。

タリバンに処刑されたナジブラ大統領みたいになりたくなかったでしょうから。

せっかく国連が逃亡用の車を用意したのにタリバンに引きずり出されて、拷問されて殺されて。

死んでからもちんこ切り取られて車で市中引き回されてから信号機に吊るされたくなんてないですよ。

アメリカ人だってそうなりたくないですもんね。そりゃ逃げますわね。

原発事故もベクトルは違ってもそれくらい身に迫る危険だったわけです。

米軍って駐留したり基地増やしたりするときは未来永劫いるように感じますけど、撤退は一瞬ですよ。

 

アメリカが守りたい『日本』とは何なのか

 

じゃあ米軍はなんで日米安保条約を結んで日本にいるのか。

なぜアメリカから見て「日本は重要な同盟国」という位置づけなのか。

これについてはちょっと古いですがこちらの本にて詳述されています。

元自衛官の軍事アナリスト小川和久氏の著書『日本の戦争力』です。

もちろん内容について賛否あるのは当然ですし、当時と今とでは国際情勢も変わりました。

それでもこの本に書いてある自衛隊の能力や日米同盟についての記述はとても勉強になります。

 

よく「近隣諸国の脅威に対抗すべく日本の軍備を増強しよう」という話が出るとき、

その近隣諸国や日本国内の反戦平和を謳う団体が「そんなことはしてはならない」などと言いますね。

国内では「ミサイルより福祉」など高齢左翼向けスローガンをほざき倒し遊ばされていらっしゃるし、

近隣諸国からは「侵略の歴史を直視しろ」だの「日本の軍拡は近隣国の脅威」だの言われますけども、

自衛隊の現状はそれらを何ら気にするほどのことにはなってないのですよ。

日本には1発の核兵器もなければ他国に大規模な軍事侵攻できるほどの軍備も輸送力もないからです。

小川氏の言葉を借りるなら『パワー・プロジェクション能力』がない。

日本語に言い換えると『戦力投射能力』だそうです。これが自衛隊にはない。

保有する『戦力』を他国に向けて『投射』する『能力』が自衛隊にはないということ。

たとえ軍事予算が世界有数でも…それだけでは他国へ侵攻する能力があるということにはならないし、

限られた国しか持てないイージス艦が何隻かあっても、それだけで他国を攻め落とすことはできない。

他国を攻め落とすには…例えばノルマンディー上陸作戦のような大規模な陸上戦力の上陸が必要です。

それだけの数の兵士や装甲車などを上陸させるに十分な数の輸送艦も揚陸艦も自衛隊にはありません。

日本は島国だから他国へ侵攻するならそれは必須なんですけど、それがない。

上陸作戦ができる戦力がないなら、代わりに多数の核兵器があれば敵国を壊滅させられますが、

非核の誓いを立てた日本には当然それがただの1発さえ存在しない。

日本には他国を侵略できる能力がありません。

自衛隊は専守防衛に特化した軍事組織だからです。

防衛予算ランキング世界10位でも、上述の通りの理由でそもそも他国の脅威になり得ないんですよ。

ちなみに日本の近隣諸国は世界の防衛予算ランキングだとどうなのかと言うと…

・中国(核保有国):2位
・ロシア(核保有国):3位
・北朝鮮(核保有国):不明だけど国家予算の15~26%は国防費
・韓国:9位
・台湾:21位
・フィリピン:49位

こうなっているわけです。

このうち日本の軍備増強に賛意を示すのは台湾とフィリピンだけ。

日本の軍備増強に強く反対する国は揃いも揃って日本より防衛予算は多く、韓国以外は核兵器もある。

おかしいですねー。

いったいこれでどうして「日本の軍拡は近隣諸国の脅威」になるんでしょうねー。

最近はこの言い分に説得力がないと思ったのか、反戦の市民団体は違うことを言い始めてますね。

主に中国とロシアを念頭に置いての発言だと思うのですが、

「戦って勝てる相手じゃないんだから日本が軍備を増強する意味はない」などと言うものです。

そうまでして日本が防衛力を強化することを望まない『理由』があるんでしょう。

近隣諸国が「これはチャンスだ」と思ったときに自衛隊に反撃されたら困りますからね。

 

 

このような国々に自国の国益と安全を脅かされないために米軍は日本に駐留しています。

世界の防衛予算ランキングぶっちぎり1位のアメリカです。

そのアメリカはほぼ全世界のどこへでも戦力投射能力があります。

だから世界の警察官と呼ばれたりするんですね。『敵』からしたら怖い存在。

不安定化しそうな地域にすぐ派遣されて、場合によっては飛び道具で武力を行使しますね。

今のイスラエル対ハマスの戦争でも米軍は地中海に派遣されています。

あれは…第6艦隊ですかね。地中海なら。

米軍は広大な地球上の地域をいくつかにエリア分けして、それぞれ担当する区域を定めています。

日本のある西太平洋~インド洋とオセアニアはハワイに司令部があるアメリカ太平洋軍の管轄。

ハワイより西側のエリアを担当するアメリカの海上戦力が第7艦隊です。

ですが、例えば極東有事があった際にパールハーバーから向かうにはちょっと遠い。

中国と東南アジア諸国が領有権を争う南沙諸島や、その先のインド洋に向かうにはもっと遠い。

なので即応力という点でももっとそれらに近い位置にある重要ポイントに母港がなければいけない。

それが日本であり、第7艦隊の本拠地たる母港のある横須賀(あと佐世保も)です。

この『母港』というところがポイントです。

単に軍事作戦のために、あるいは航海中にちょっと立ち寄って補給を受けるような港ではありません。

停泊や補給はもちろん、アメリカと同等の工業力・技術力で艦艇を修理できる設備も備えてあり、

乗組員が十分に休養できて安心して過ごせる住居や店舗、他にも娯楽施設や病院もあって、

航空母艦が艦隊にいるからには港の近くに艦載機の離発着ができる飛行場もある…

これだけの施設を揃えた『アメリカ本土と同じ』扱いのできる港湾施設が『母港』なのです。

実際に横須賀で米軍基地入ったら言ってる意味わかりますよ。

年に数回実施される『ネイビー・フレンドシップデー』なるイベントがあるのですが…

これ横須賀市民は単に『ベース開放日』と呼んでますね。

普段はゲートの向こう側にあってパス持ってないと入れない米軍基地が、その日は一般開放される。

中に入るとアメリカの映画とかドラマでよく見る道路あって芝生あってその先に家、みたいな…

飲食店もタコベルとかね、あれは梅田の阪急三番街にもあったか。

ベースの中でしかもう見られないって言ったらダンキンドーナツですかね。

昔はね、横須賀ならヤジマレコードの隣あたりにもありましたけど日本からは撤退しましたからね。

横須賀の国道16号沿いに見える…ハニービーの前のメインゲートと歯科大の横にある三笠ゲート、

あのゲートの向こうは日本じゃなくてアメリカなんですよ。あそこは国境です。

 

 

そういうものが日本には他にも何ヶ所もあるんですよ。

三沢とか、横田とか…厚木も座間もそうでしょうし、沖縄にも「この先はアメリカ」がいくつもある。

アメリカから見たら日本全体が『アメリカ本土に準ずる扱い』なのです。

細かい違いはあっても、だいたい同じものとして見ている。

そういう『だいたいアメリカ』のエリア内に『ガチのアメリカ』を何ヶ所か作ってるわけです。

なんでここまでのことをアメリカは日本にするのか。

小川氏が言うには、それは日本がアメリカにとって『戦略的根拠地』だからなのです。

英訳するなら『パワー・プロジェクション・プラットフォーム』が適切だとか何とかで…

また出てきましたね、パワー・プロジェクション。戦力投射能力。

米軍がインド太平洋地域において保有する戦力を投射するための拠点。それが日本なのです。

つまり日本がなければ今のアメリカの世界戦略は実現できないっていう、そういうレベル。

世界中に米軍基地はありますよ。西太平洋で言えばフィリピンにも韓国にもある。

あれは会社で言えば『営業所』とか『支社』のイメージ。

でも在日米軍基地の扱いは『第二本社』とか『統括拠点』のレベルなんですよ。

よくある東京本社に対する大阪本社とか、トヨタの北米統括会社とか、そういう超重要拠点。

だから事業を整理するために営業所の統廃合なんかはできたとしても、

本社に準ずる拠点とか地域全体を統括する本部はそう簡単には動かせない。

実際に米軍は駐留先のあちこちで様々な不祥事や事件を起こしているのですが、

それにその国の世論が沸騰して「米軍出て行け」みたいな流れになるじゃないですか。

フィリピンでも韓国でもありました。米軍出て行けっていう話。

そうすると米軍は最低限の機能ぐらいまで縮小して本当に出て行っちゃうんですよ。

でも日本から米軍は出て行けない。

日本がアメリカ本土並みに重要な戦略的根拠地で、ここに代わる場所は世界に存在しないからです。

極端な話、日本を失ったらアメリカは世界の頂点に君臨し続けることができなくなります。

だから日本で米軍が不祥事を起こすと、軍の責任者がめっちゃ謝ってきます。

米軍は横須賀でも数年に一度ぐらいのペースでまあまあの事件やらかしてますよ。

金払えないからタクシー運転手の首を後ろから刃物で刺して殺すとか、

明け方にスナックのおばちゃんボコボコに殴り殺して金を奪って逃げるとか、

自分がかつてバイトしてたスーパーの警備員が乗った原付を飲酒・逆走・信号無視で轢き殺すとか…

どの事件も善良な一般の日本人が死んでいます。殺されています。

下される判決も日本人が犯した場合より明らかに軽い刑罰で不当なものです。

それでも米軍の将軍が横須賀市役所や日本政府に直接謝りに行くんですよ。

そんで横須賀基地所属の軍人全員が連帯責任で謹慎処分。夜の街に出られなくなる的なやつ。

日本人的にはどう考えても不十分なのですが、あれでも米軍は日本にめちゃくちゃ謝っている。

これ…他の国では米軍はそんな態度をまず取らないらしいんですよ。いつ出て行ってもいい国だから。

あんだけ謝るのは日本を失うことがアメリカにとってどれだけまずいことなのかを表しています。

 

 

今回の第2次トランプ政権発足で、新しい国務長官になったルビオ氏が日米外相会談でも言いました。

「地域の安全と繁栄の礎としての日米同盟に対する”永続的な責務”」って。

大統領が誰になろうが日米同盟の重要性はいささかも変わりませんよ、っていうことですね。

対米自立を掲げる旧民主党の大物議員に小沢一郎氏がいます。

彼はかつて「在日米軍は第7艦隊以外はいらない」と言いました。これが何を意味するか。

「沖縄の基地はなくせても、横須賀基地は絶対になくせない」ということです。

米軍の世界戦略上、第7艦隊がいかに重要なものかということですね。

そして第7艦隊の母港であり『米軍の戦略的根拠地としての日本』がアメリカにとって最重要である。

こういうことなわけです。

日本とアメリカを中国・北朝鮮・ロシアから守るためとか関係ないんでしょうね。

もっと広大な範囲と先を見据えた多くの目的のために日米同盟があるんでしょう。

上記で敢えてカギかっこ付きで『米軍の戦略的根拠地としての日本』という書き方をしました。

これこそがアメリカが守りたい『日本』なんですよ。

ユーラシア大陸から適度に離れた島国でそう簡単には攻め落とすことができない立地にあって、

アメリカ本土並みの工業力と技術力があり、大量の弾薬と燃料も貯蔵してあり、

いつでも米軍の世界戦略と作戦を継続していけるための設備がフルセットで揃う超重要拠点。

広義に言えばこれを支えるためのバックグラウンドまでが守りたい範囲に入るのでしょうが、

おそらくそこに我々日本人の生命と財産は含まれていません。

我々は『だいたいアメリカ』かもしれませんが『ガチのアメリカ』ではないのです。

再度書きますが、米軍はアメリカ合衆国の国益を守るためにあります。

そこに日本人の生命と財産は含まれていない。それを守るのは彼ら米軍の仕事ではありません。

日本政府と自衛隊の仕事ですから。

ちょっと雰囲気出したいからBGMになるようにこれ貼っときましょうか。

 

日本に求められること

なので米軍が日本に求めることは『戦略的根拠地をいつまでも提供してくれること』でしょう。

そうしてくれる親米政権がずっと続くように…っていう。

都合のいい話ではありますよ。アメリカのいいように使われているっていう。

自社さ連立政権のときは社会党の村山富市氏が首相になりましたよね。

あれだけずっと「自衛隊は違憲」って言ってたのに、首相になったら「自衛隊は合憲です」って…

そんな大転換をさせるだけの現実的な判断を首相ってのは迫られるんでしょうね。

そこで理想の姿に固執すると「トラストミー」とか言い出して結果的に信頼を失うんですよ。

なんで社会党のほうが現実的判断できて民主党があんな程度なん?って話ではあるんですけども。

結局そういう現実的なかじ取りのできそうな政党が自民党しかなかったのが日本の不幸ですよ。

これから先はどうなるかわかりませんけどね。

 

この画像は陸上自衛隊ホームページより引用しております

 

さて、時の政権がどうあっても日本政府と自衛隊に求められることは決まっています。

日本人の生命と財産を守ることです。それこそが我が国の国益です。

これは米軍に期待するものではありません。日本自身の仕事です。

そのためには自衛隊がきちんと本来の任務を全うできるようにならなければならない。

この数年、日本はどうにかその方向へと静かに進もうとしています。

自衛隊病院の改修や血液製剤の備蓄、護衛艦の空母化改修、食料供給困難事態対策法の制定…

このへんは全て繋がっているように見えるんですよ。

タモリってすごいですよね。そんなのが発表される前から今を『新しい戦前』と見るんですから。

空耳アワーで「チンコとれてるチンポコ」だの観てゲラゲラ笑ってるぐらいでありたいんですよ。

タモリにはそういう深夜のサブカルトークで笑わせてくれることをずっと期待したいんですけど、

でも徹子の部屋で上述の発言があったときはさすがの慧眼に恐れ入りましたよね。

この『新しい戦前』を迎えた情勢に適応すべく少しずつ日本も動いています。

空母化改修した護衛艦の艦載機をステルス戦闘機F-35Bにするとか、

沖縄の先島諸島の各地に自衛隊駐屯地を建設してミサイル部隊の配備も進めていくとか、

そういったことを行うにはまず予算が必要です。

その防衛予算が日本は長らくずーっと『対GDP比1%まで』という縛りがありました。

一般的な軍隊でなく専守防衛に徹する自衛隊にそこまで予算を割く必要もないとされ、

侵略された近隣諸国の脅威になるなんてとんでもないという余計な声も内外からあり、

これまでその縛りを超える予算はつけられなかったのですね。

ですが、日本を取り巻く環境は大きく変わりました。

北朝鮮による拉致問題と不審船はもちろん、ロシアは北方領土に軍事基地を建設、

本来なら敵ではない韓国によるレーダー照射問題…そして何よりも中国の急速な軍拡ですね。

尖閣沖の漁船衝突事件や小笠原でのサンゴ密漁問題など海保が対応すべき事案もありますが、

その海保にあたる中国の海警が艦艇を海軍から転用して重武装化が進められているようで、

日本で言うなら海上保安庁の船が海上自衛隊の護衛艦レベルになっているということですね。

尖閣周辺の海域では日本の海保(国交省管轄)はそんなものを相手にしないといけないのです。

 

 

我々の日本とその周辺は近隣諸国の軍事力によって安全が脅かされています。

この現状でもまだ対GDP比1%の防衛予算で乗り切れると思うなら脳内がお花畑に過ぎます。

でもそれを引き上げるというのはとても政治的に難しかったんですよ。

それを岸田政権がおととしあたりに防衛予算を対GDP比2%に上げるって決めましたけど、

あれ実はすごいことなんですよね。

もちろん背景としてロシア・ウクライナ戦争があったからってのもあるんでしょうけど、

防衛予算増額に関しては従来想定されるような強い反発も特になかったですし。

誰もやれなかったことをしれっとやるんですよ、あの総理。安倍さんでもできなかったのに。

こうして日本の防衛予算はついに対GDP比1%の殻を破り2%になりました。倍増です。

でも日本の置かれた環境を考えれば3倍増でもいいぐらいですよ。本当なら。

そもそも日本の防衛予算のおおよそ半分は人件費でした。自衛官のお給料。

対GDP比1%となると年間5兆円弱なので、目的はどうあれ上限が決まってしまってたんですよ。

で、自衛官のお給料と食費でだいたい2兆円ちょいは必要。

残り半分強のカネ全部を使っていろんな兵器を買えるでしょ?って思っていらっしゃる方。

そうはいきません。無理です。

防衛予算の残りの半分で兵器を買い、燃料も買い、隊員教育も基地整備もしないといけない。

それでも近隣の脅威や国際情勢に対応するために装備を充実させないといけない。

ってなったときにこれまで削るところが人件費だったんです。

悲しい話ですよ。文字通り命懸けで職務に臨む自衛隊がそれですよ。

これ昔の話じゃないんです…令和入ってからも少しの間そうでした。つい最近のことです。

自衛隊には絶望的に金が足りなかったんですよ。

日々使うトイレットペーパーさえまともに買う金のなかった軍事組織が自衛隊です。

海自の艦艇が共食い整備されてるって噂もあながち否定しきれない…としか言えません。

そこで足りない物を川崎重工が『裏金』で供与して、プラスでちょいサービスしたら癒着と騒がれる。

それを朝日新聞あたりがいつも通り社説で「癒着を断て」だの正論ぶった綺麗事を吐くわけですよ。

飲食や私物用もあるけど『艦内での業務や生活に使う物品』も供与があったと朝日が自ら書いてます。

それすら買えないから仕方なく川重におねだりしてるんだろうと思うんですけども、

そりゃ特定企業との癒着は良くないですよ。でもそれならまず自衛隊にカネ出してやれよと。

自衛官の生活・職場環境改善の為にも防衛予算増額は認めるべきですが…朝日さん常に反対ですよね。

自分は軍港都市・横須賀で生まれ育ったから知っています。

自衛隊の官舎がくっそボロいことを。昭和中期の団地のままですよ、あれ。

アポなし反戦デモやって周りの迷惑なんか考えもしない老人どもがどんなに恵まれた環境にいるか。

あいつらを官舎に住まわせたら文句しか言わねえだろうな。狭いだの汚いだの。

「ミサイルより福祉を」と叫ぶくせに自衛官の住環境改善に思いが至らない活動家は偽善です。

偽善ならまだしも近隣の諸悪の手先かもしれないわけで…だとしたら巨悪です。

日頃から人権尊重を声高に訴えるのに、自衛官とその家族の人権は考えてませんからね。

反戦主義者だの平和主義者なんてのは都合のいいことしか言いませんよ。

耳障りの良い夢物語しか話さない人は信用するに値しないというものです。

その人には何も見えてないか、全部見えてて騙しにかかってきているか…のどちらかだからです。

そのような妄言に惑わされず、日本は防衛予算を増額する道を選びました。

 

 

防衛予算の対GDP比1%から2%への拡充は先ほども書いた通り1%増やしただけで倍増なので、

そうなった途端に2%を目指して急激に伸びているのがよくわかりますね。

これでようやく防衛予算の半分が人件費と食費で消える状況は改善されつつあります。

何年かかけて目標(約10兆円)を達成することになるでしょう。

しかし、もし仮に米軍に頼らない自立した国防を目指すとなったらそれでも足りないのです。

前出の小川氏はいま米軍が担っている部分まで自衛隊が賄うための試算をしたところ、

自主国防には年間で約20兆円ぐらいはかかるのではないか…と著書にて書いていたと思います。

対GDP比4%ってことですよね。倍になった今のさらに倍。

たぶんこれが本来なら日本が自国の国防のために負担すべき金額なのでしょう。

現実にはその半分、年間10兆円を目指すために防衛増税の必要性を政府は説いておりますが、

実は防衛増税しなくても、日本人の意識の変化と覚悟があれば増税なしで捻出は可能です。

ならそれはどこから出せそうなのか。どこから出すべきなのか。

 

 

社会保障費です。年間で総額137.8兆円。

このうちたった7%だけ削減すれば、それだけで約10兆円の予算が生まれます。

それだけ社会保障費は規模が大きいのです。

敢えてはっきり書きますが社会保障費の大半は高齢者福祉です。

子供・子育てに関する社会保障給付費なんてたったの10.8兆円…これがちょうど137.8兆の7%です。

年金と介護で75.6兆円。医療も確か1割負担になった途端に受診回数が頻回になります。

しかも団塊の世代が後期高齢者入りすることでまだ膨らむのです。

これを膨らむままに全て今のクオリティで支えていくなら社会保険料の負担増以外にはありません。

で、社会保障費以外の防衛費などは増税で対応せざるを得ない。

無茶苦茶じゃないですか。無理ですよこんなの。

負担増に手を出す前にまずは最も大きな出費を見直すことですよ。

さっき137.8兆円の7%を削れば10兆円生まれて、子供に関わる福祉給付がちょうど7%と書きました。

いくら「ちょうど7%だな」ってなっても、たった7%しか占めていない子供の福祉を削りますか?

そんなバカげた話はありません。

同じ7%減なら子供の福祉をゼロにするのではなく、当然ながら高齢者福祉を削減すべきなのです。

こういうことを言うと「世代間対立を煽るな」「ミサイルより福祉」などと言われます。

そういったバカの話を真に受ける理由も必要もありません。

既に高齢者福祉は十分である上に、近隣の情勢を考えれば今は前述の通り『福祉より防衛予算』です。

そして世代間対立を煽っているのではなくあまりにも歪な現実を指摘しているに過ぎず、

仮に指摘がなくとも日本において深刻な世代間の対立はもう既に存在しているのです。

公共交通の敬老パス廃止程度でゴネる老人はもはや国賊と呼んで差し支えなく、

いま求められているのは最低限でも『全世代での医療費自己負担3割』を速やかに導入することです。

こういう話をするとすぐ「老人に死ねと言うのか」と批判が出てきます。

的外れです。そんな程度では死んだりしません。

隣の韓国では高齢者も医療費自己負担は3割ですが、男女とも日本人と平均寿命は1年しか差がない。

日本のように後期高齢者の医療費自己負担を1割にして頻回受診したところで寿命は劇的に伸びず、

国家予算と現役世代の所得と子供たちの未来を食い潰す…高齢者の自己満足という悪行でしかない。

「それは言い過ぎじゃないか」と思われるかもしれませんが、実際そういうレベルなのです。

政治家の給料を削ったところでせいぜい数十億円にしかならず、それでは何の解決にもなりません。

「日本人の生命と財産を守るのが政府の仕事と言うなら高齢者の命も守れよ」と思った方。

それはその通りです。

ですが、現状は高齢者の命『だけ』を守るような予算と法整備になってしまっています。

先述の通り子供・子育てに関する社会保障給付費はたったの10.8兆円(137.8兆のうち7%)です。

無駄が多いと批判される子ども家庭庁の令和6年度予算でさえ5.2兆円しかない。

子供向け社会保障給付費の半額ですよ。

日本の社会保障給付は子供たちや現役世代を置き去りにして大きく高齢者向けに偏っています。

財産の大半は高齢者が保有していますが、日本人の生命は高齢者だけではないんですよ。

子供も若者も現役世代も。みんな日本人です。高齢者以外の彼らの為にも予算を割り振るべきで、

そうであれば社会保障費に大ナタを振るう改革は必須です。

今を生きている者だけの為にこの国があるのではありません。未来へ繋がなければならない。

子育て、先端研究、防衛…そのために予算を必要とするジャンルは多くあります。

 

 

そしてカネだけあればいいというものでもありません。

有事の際に自衛隊が「これは法に反するのでは?」と躊躇する暇があってはなりません。

もちろん民間人虐殺などのようなあからさまに人道に背く行為は厳に否定されるべきですが、

いちいち「これはしてもいいですか?」などとお伺いを立ててたらその間に敵に殺されます。

自衛隊には日本の法律に基き「これはしてもよい」以外は絶対してはいけないという縛りがあります。

いわゆる『ポジティブリスト』というものです。

警察の武力行使はこれによって統制されています。自衛隊もこれなのです。

ですが、本来軍隊というものはその逆です。

法律で定められた「これは絶対にしてはいけない」以外は全て実行できるという判断。

これは『ネガティブリスト』と呼ばれています。

軍の行動を縛るのは戦時国際法であり、そこで禁止されたもの以外の武力行使を軍隊は全て行えます。

日本は曖昧な憲法解釈で「自衛隊は軍隊ではない」などという謎めいた建前がまかり通っていますし、

そもそも自衛隊の前身にあたる組織が『警察予備隊』なのでそのようにならざるを得ないのでしょう。

ですが、これでは左翼が不安を煽るまでもなく戦争なんてできません。

たとえそれが日本を守るための防衛戦争でも。やっていいことがわかんないから。

自衛隊が日本の防衛の為に活動できる法整備が必要なのです。

世界中の国々は自衛隊を "Self Defence Force" なんて呼びませんよ。何だよそれってなりますからね。

我々がどれだけ自衛隊を「セルフでディフェンスするフォースなんです」って言い張ったとしても、

諸外国から見たらあれは "Japanese Army" 以外の何物でもないのです。日本軍なのです。

まやかしの憲法解釈を改めるときなのですよ。

呼称は何でもいいのですが、きちんと自衛隊を日本を防衛するための軍隊であると規定し、

ネガティブリストで統制される軍事組織にならないといけません。

正式に軍隊となるためには軍法会議(軍事裁判所)を設置する必要も出てきますが、

日本に攻めて来た敵を前にして法の縛りをあれこれ考えている余裕なんてないのです。

それを取っ払わないといけないんですよ。

そしてスパイ防止法の整備、自衛隊の活動に対する妨害の取り締まり。

今は奴らにとってフリーハンドだから結局ファイブアイズにも入れてもらえないとか何とかですよね。

国内に潜む敵を野放しにしてはなりません。厳重に取り締まるべきです。

きっとそんな国になったら『市民団体』の皆様からしたら最低の国になるんでしょう。

軍靴の音が聞こえる著しく右傾化した世界史上最悪の侵略国家みたいな。

『アベ政治』でさえ許せないんですから、そんな法整備が進んだらどうなるんでしょうね。

 

アメリカは『戦略的根拠地』としての日本だけは何としても守ろうとします。

ですが、彼らが守らずに損切りするであろう日本人の生命と財産は我々自身で守らないといけない。

そのために命を懸けて任務にあたる自衛隊が十分に活動できるように。

政府がきちんと国民と国家のために働くよう選挙で我々の意思を示すこと。

アメリカでは第二次トランプ政権が発足したことで緩やかに世界から手を引こうとしている今、

これまで以上に我々を守るのは我々自身であるという時代です。

「誰かが守ってくれる」ではなく「天は自ら助くる者を助く」のです。

日本人である我々自身が、この国をより良い状態で未来に繋げていけるように…

そういう意識と覚悟を持つこと。

タモリが何を思って今を『新しい戦前』と言ったのかの解釈はタモリ本人にしかわかりません。

ですが、今が本当に新しい戦前なら…後に来るかもしれない『戦時』に備えるべきなのです。

それこそが今の日本に求められることでしょうよ。

神話の時代を除き、実在したとされる仁徳天皇の治世から数えても約1600年続くこの日本。

やっぱりね、日本人ですからこの国が良い国として続いてほしいんですよ。

そう願ってこの記事を締めくくりたいと思います。

 

 

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