今回の記事内容のまとめ

  • おばあちゃんパーマは、世代交代やファッションの変化により廃れていった
  • おばあちゃんパーマは、頭頂部にボリュームを出し、髪の薄さもカバーできた
  • 現在はおばあちゃんパーマよりもっと良いスタイルや対応策がある

 

こんにちは。

西宮・夙川にある「マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする」がコンセプトの

小さなプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。

21世紀に入ってもう来年で4分の1になろうとしています。

元号も令和になりました。時の流れは速いものです。

昔は存在しなかったスマホ、Google、YouTube、amazon、交通系ICと…世の中は便利になりました。

街並みは大きく変わらなくても時代は進んでるんだなと実感します。

にもかかわらず、未だに多くの人にとってパーマは「おばあちゃんみたいになる」と思われている。

きつめのくるくるパーマのあれですよ。おばあちゃんパーマ。

21世紀かつ令和なのにパーマに対するイメージはあんまりアップデートされていないと感じます。

いや…ね、あんなふうになっちゃうんじゃないかって不安な気持ちを持つのはわかりますよ。

あんなふうにはなりたくないですもんね。

でも…今そもそもあんな髪のおばあちゃんいます?

見ないですよね。街を歩いててもほぼ全くと言っていいほど見かけることはありません。

もちろん美容師として働いていてもあのスタイルをご希望されるお客様はおられません。

当店にもご高齢のお客様が来られるにもかかわらず、ですよ。

ではあのおばあちゃんたちはどこへ行ったのか?というあたりの話を考えて書いてみました。

本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。

それではどうぞ。

 

おばあちゃんはどこへ消えた?

 

最初にくるくるパーマのおばあちゃんはどこへ行ったのか?の結論から言ってしまいますと、

あのおばあちゃんたちはあの世へ行きました。

既に現世からログアウトされている。大半の方はもうお亡くなりになられているわけです。

これ失礼な話でも何でもなくて実際にそうなんですよ。

自分がまだアシスタントだった十数年前、まだまだあのパーマをされるお客様はおられました。

担当するスタイリストにヘルプでロッド渡したり、自分も巻かせてもらったりしてたわけです。

ほっそいロッドでしたよ。ポキッと折れそうなぐらい細いロッドで襟足とかもみあげを巻く。

豆ロッドとか呼んでましたね。直径が2~3mm程度の極細ロッド。

そういうパーマをご希望されるお客様は『当時で』だいたい70~80代の方ばかり。

この人たちがしてたパーマがいわゆる『おばあちゃんパーマ』として認識されているはずです。

それより下の世代…当時でだいたい50~60代の方はそこまできつめのパーマは好まれません。

あんな強くあてるのはちょっとやりすぎっていう感覚なわけですね。

だからパーマからのブローありきってのは上の世代と同じでも、巻くロッドがもっと太くなります。

ロッドが太くなるということはパーマが緩めになるということです。

で、おばあちゃんパーマをされるお客様を店で見かけたのは…自分はだいたい13~14年前まででした。

だとするとその方たちは今何歳ですか、って話で。

まぁ…ね、90か100ぐらいでしょうね。だいたい亡くなってるか施設入ってますわね。

十何年か前に89歳で亡くなったうちの祖母がまさにおばあちゃんパーマしてましたけど、

仮に生きてたらもう100なってる頃ですからね。そうなる前に大半の方は生涯を終えます。

そんでそれより下の世代が『今の』70~80前半ぐらいですよ。

その世代も含めた下の世代は誰もおばあちゃんパーマなんかやりたくないわけですよ。

メインの層が消えて、後の世代であれを受け継ぐ者は現れなかった。

こうしておばあちゃんパーマは街から消えていったんです。消えた理由自体はシンプルでしたね。

 

実はあれがいちばんマシだった説

 

ではそもそもなんで昔のおばあちゃんはあんなパーマを好んでいたのか。

きっついくるっくるのパーマなんかどう見たって良さがわかんないって皆さんは思いますよね。

でも実は当時のおばあちゃん世代からしたらあのスタイルがベターだったんだと思います。

あれがいちばん若々しく見える当時の最適解だった…っていう。

もちろん本人たちは理論的なことは詳しくわからず経験則でそう思えてたんでしょうね。

これは自分の主観かもしれませんが、それが実はとても理に適っていたものだと思えるんです。

それをちょっとまとめてみました。

 

トップにボリュームが出る

まずこれが最大のメリットと言ってもいいでしょうね。

年齢を重ねると髪は痩せていきます。

髪に含まれるたんぱく質が最初から減ってスカスカになっていくんですね。骨粗鬆症みたいに。

我々美容師はそういう髪をエイジング毛とか呼んだりしていますけれども、

とにかく髪からハリコシがなくなって細くなりチリチリしたクセが出て来る。

こうなるとふんわりとしたボリュームというものが非常に出しにくくなるんですよ。

てっぺんにボリュームがない=薄毛である=若くないという認識は誰しも持っています。

今だって百貨店とかにてっぺんだけの部分かつら売ってる店ありますよね。

たぶんテレビでもCMやってますよね。フォンテーヌとか。

若々しさのポイントは、まずトップのボリューム。これすごく大事です。

これをかつらに頼らず地毛でいこうとしたらパーマって手っ取り早いんですよね。

乾かしたら勝手にふわっとしてるわけですから。手軽に若く見せられるのは好評だったんでしょうね。

 

短くすることのメリットが大きい

ある一定の年齢を超えると、女性は髪を短くし始める人が増えます。

もちろんそのほうが手入れが楽だというのはありますよね。

でもそれ以外にも理由があるんですよ。

髪を長く下ろしておくというのは『顔の周りに縦方向の線を作る』ということになります。

縦方向の線に挟まれると、人の目も同じ縦方向に追うわけです。

そうするとお肌がちょっと垂れ下がって見えてしまう…という錯覚を起こすんですね。

なので短く切る、それだけで視覚的なリフトアップの効果があります。

もちろんそれは視覚的な効果だけで実際リフトアップしてるかは全く別の話ですよ。

でもそれだけで若々しく見えるようになりやすいわけです。

根拠はないけど、おそらく昔の人は経験則でそれを知ってたんでしょうね。

すっきり短く切ったほうがある一定の年齢を境に若く見えるんだと。

それに横と後ろをすっきり短くすると、相対的にてっぺんがボリュームあるように見えるんですよ。

横にボリュームがあったら…どうしてもてっぺんがぺったんこに見えてしまいやすいので。

 

で、遠い昔の白髪染めは今とは比べ物にならないほどカラーバリエーションが少なかった。

なんならヘアカラー自体ない時代のほうが長かった。

縮毛矯正でツヤツヤでサラサラの髪を作ることもできなかった。

これまでずっとそういう時代だったわけです。

だから白髪混じりでちょっとチリチリした髪の毛を整えず長く伸ばしているとどう見えるか。

これはもう誰もが知っています。これです。

 

 

山姥ですね。やまんば。

山奥にいて人を襲う老婆の妖怪。

諸説ありますけど、やっぱりあれは姥捨てで山に捨てられた老婆なんじゃないかと思うんです。

化け物より生きた人間が一番怖いわ。

他にも例えば砂かけ婆だって白髪でチリチリ毛でセミロングぐらいなわけですよ。

このことから日本では歴史的に一貫して『汚いババアは妖怪である』という認識があるわけです。

主な客層が30~50代女性かつ品の良い住宅街で働く自分が言っちゃいけないやつですよ、これ。

営業上マイナスにしかならないと思うのですが、歴史を鑑みたら事実なので仕方ありません。

誰だよ飛田新地の一角を『妖怪通り』とか『年金通り』とか呼び始めた奴。

当時の職場から近かったので、仕事帰りに同じ店のスタッフ数人で歩いて見てきたことありますよ。

どこが何通りとか全然わかんなかったですけどね。

話がそれました。

妖怪として扱われる老婆はもれなく白髪でくせ毛で髪が長いんですよ。

老婆が髪を伸ばしていると汚い妖怪と思われてしまうのが日本なのです。

それを短くカットするだけで人間でいられるわけですよ。たったそれだけで。

髪をきれいに伸ばすことができるようになったのなんて日本の長い歴史のうちつい最近のこと。

それ以前の時代のうち…おそらく昭和~平成まではおばあちゃんパーマが最もマシだったんだと、

自分はそう思うわけです。技術の進歩というのは本当にありがたいものですね。

 

若く見えるスタイルって何だろう?

【ここ大事】小顔に見せるポイントってあるんですよ

    前回はね、美容と関係のない話を長々と書いたんで今回は本業の話をしましょうか。 言うまでもないことですけど、女性なら誰しも小顔に憧れると思うんですよ。 エス…

 

それについては上記の記事にだいたいまとまっていると思っています。

具体的に言えばひし形シルエットのボブスタイルが最も扱いやすく効果的なんじゃないかと、

自分はそう思うわけです。

ボブぐらいまで短くすることで視覚的なリフトアップを促すことができますし、

表面を少し短く切ったり分け目をずらすことでてっぺんに高さを出すことができる。

なんせ短いので乾かすのも楽ですし、なんならパーマも必要ないケースが多い。

もちろん髪質などによってはパーマしたほうが扱いやすいこともありますよ。

そのあたりの詳しいことにつきましては、ぜひ担当の美容師に相談してみてくださいね。

当店でもご相談ご予約を喜んで承っております。

 

さて、今回の記事のタイトル画像は何のパロディか…わかった人いますでしょうか。

 

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