
こんにちは。
西宮・夙川にある「マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする」がコンセプトの
小さなプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。
私は2022年の6月にこの夙川に美容室を開業いたしました。
今回ここに書くことは独立開業以前から自分の仕事の心構えとして持っていたものです。
だからそれを基本理念なんて硬い言葉で大袈裟に言うようなもんじゃないんだろうとも思うんです。
でもこうして自分の店を持ったので、それをそのまま当店の基本理念として掲げることにしました。
これまでこうやって明文化したことなかったんですよ。
なかったんですけど開業したのであれば…ずっと自分の心にしまっていては意味がないのではないか。
どういう思いで美容室を開業し、お客様と向き合っているかを広く知ってもらうべきではないのか。
そう思うに至りました。
どういう人がどんな思いで仕事をしているのかわかったほうがお店にも来やすいかなって思いますし。
なのでそれを今回ここに記しておこうと思っております。
本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。
それではどうぞ。
嘘のない正直な仕事

至ってシンプルなことなんですけれども、お客様に嘘つきたくないんですよ。
いや…ね。何言ってんだお前と。
お客様側からしたら「何を当たり前のこと言ってんだ」っていう話だと思うんです。
普通はね、そう思うもんですよ。
でもお客様の中には美容師をあんまり信用していない人もまあまあおられますよね。
美容師が信用されない理由っていらないメニューアップを押し付けられてるように感じたり、
適当に話合わせて適当に返事してるからお客様に向き合ってるフリしてるのバレバレだったりとか、
なんかそういうところだろうと思うんですよ。
お客様に対して嘘をつかないという『当たり前』が実は当たり前になっていない。
それは美容師本人の都合だったり、あるいは店側の都合だったりどっちもあり得ますけども、
そういうところってお客様に伝わっちゃってると思うんですよね。
例えば髪の状態からして必要ないのにトリートメントやることを勧めるとか、
イルミナとかアディクシー使いますって言っといて実は違うカラー使ってるとか、
お客様がすいてほしいって言うのをもっともらしい理由つけて断るとか、
店の売上とか予約の都合上で仕方がないっていうのはわかりますよ。美容師サイドとして。
でもね、やっぱり嫌なんですよ。
お客様にはきちんと向き合って正直な仕事がしたいんです。
ばっさり切る人にはトリートメント込みの予約だったとしても必要ないって言っちゃうし、
カラーの薬剤が違うからって料金変えたくもないし、
軽くしてほしいというオーダーには髪の状態や生えグセを見てしっかりと量感調節をしたい。
シャンプーだって「だるいなーアシスタント欲しいなー」とか全く思いませんからね。
お客様に気持ちいいと思ってもらえたらいいなって思いながら施術しています。
さっきも書きましたけどこういうのって本当にお客様に伝わると思うんですよ。
だからこのブログでは当店の売りである電子トリートメントを怪しいとさんざんディスったりとか、
別に言う必要もないのに自分が昔うつ病だったことなども嘘偽りなく隠さず正直に書いています。
それが私の姿勢です。
あっ、電子トリートメントを怪しいってディスったって書いたけどちゃんとおすすめしてますからね。
そちらについては詳しくは上記のリンク先の記事をお読みいただけたらと思います。
まずはお客様に対して正直な仕事をすること。
当たり前のことですけど、全てはそこから始まると思っています。
無理をしない仕事

目標を高く持つことは大事だと思います。
しかし、できもしないことをできるって言うのは何かが違うと思うんです。
どの会社でもよくありますが、以前勤めていた地元の職場では月に一度ミーティングがありまして、
いつも最後に翌月の売上ノルマと売上目標を社長がスタッフに言うんですね。
で、それをスタッフ全員の頭数で割る…んじゃないんですよ。
まずアシスタントが先に「これだけの仕事をします」って金額ベースで宣言して、
残った数字をスタイリストの頭数で割る。だからスタイリストは役職関係なくノルマも目標も均等。
売上を細かく作業工程ごとに細分化して各スタッフを評価するのはいいと思うのですが、
そもそもアシスタントって自分で客取れないし、できる仕事にも限度があるわけですよ。
美容師ってどうしても労働集約型の仕事ですから、現場作業の自動化は不可能ですし。
なので金額ベースで宣言するにしても現実的には大した目標設定できないんですよね。
それをスタイリストらはアシスタントが現実的な数字言うの認めないんですよ。
自分らのノルマの数字減らしたいから。
それを「目標高くしないと伸びない」「やる気あんのか」とか言って来るわけですよ。
バーカ、としか言いようがないんですよね。
人は自分にできることを大幅に飛び越えていきなり大きな何かをできるようにはなっていません。
身の丈をあまりにも超えたことはできないんですよ。
それは自分にできることの積み重ねでしか成し得ません。
『無理をしない仕事』は『背伸びをしない身の丈に合った仕事』とも言い換えられます。
人は空を飛ぶことはできません。当たり前のことです。
「いいから飛べ」「今月中に必ず飛べ」「できないのはやる気がない」と言う奴の何と多いことか。
飛べないのに飛ぶのを強要するのは自殺の強要と同じことです。
飛べないのを突き落とすのではなく、飛べないものは飛べないんだと認識するところから始まります。
ならどうしたら飛べるようになるのか。飛ぶためには何が必要か。
それを考えて必要な道具と材料を集めて、試行錯誤してようやく飛行機ができる。
このプロセスをすっ飛ばしていきなり飛べというような『無理』をしてもさせてもいけないんですよ。
飛行機を作ることを考えさせず、出来損ないのイカロスを死屍累々と積み上げる愚行はやめましょう。
自分は無理をしません。背伸びしません。
何かを為すには何が必要かを考えて、必要な仕事をします。
私は生身で空を飛ぶ人間ではありません。飛行機を作る人でありたいと思っています。
「また行きたいけどまだ行かなくていい」と思われる仕事
詳しくは上記の記事にだいたい書いてあるのですが…
たいていの美容師はお客様にできるだけ回数多く通ってほしいと思っています。
売り上げに直結しますからね。
来店ペースが2ヶ月に1回の人と、3ヶ月に1回の人。
それぞれ年間の来店回数は6回と4回になります。2回も違うわけです。
それだけ売り上げに差がつくわけですから、シビアになるのもわかるんですよ。
でもそれってお客様にはあんまり関係のない話。
お客様が望むのは『おしゃれで』『持ちが良くて』『扱いやすい』スタイル。
お客様にとって美容室は忙しい日常からちょっと抜け出せる息抜きの場所かもしれません。
もちろんそういう側面はあると思います。
ですが、我々に求められているのは基本的には長持ちして楽できるスタイルなんですよね。
それは「あの店また行きたいな」って思っていただける理由になると思うんです。
だから「また行きたい」と「まだ行かなくていいな」は両立するんですよ。
そのためにはお客様ひとりひとりにきちんと向き合うこと。
その結果としてお客様の来店ペースが延びちゃう…ってのは自分にとっては大きな喜びです。
なのでこれからも
- 嘘をつかず正直で
- 無理をせず
- 長持ちして扱いやすい
そういう仕事をしていきたいと思っています。がんばります。