こんにちは。

西宮・夙川にある「マンツーマンでお客様の髪のお悩みに真剣にお応えする」がコンセプトの

小さなプライベートサロン【Ricos】の佐久間 将でございます。

突然ですが、当店のイメージは【アンダルシアの路地裏】です。

アンダルシア…スペインの南のほうですね。

なんでそんなイメージのお店にしようと思ったのかをご説明いたします。

本日も拙文をご高覧賜りましてありがとうございます。

それではどうぞ。

エキゾチックが好き

 

自分は昔から地図を見るのが好きな子供でした。

たまにいる○○線の駅名全部言えちゃうみたいな…そういう類の子供でした。

なので電車が好きで路線図を見るのが好きというのもあったとは思うんですが、

電車関係なく世界地図も見るのが好きだったという記憶はあります。

小学校入ってから配られた地図帳とかめちゃくちゃ見てましたね。

パラパラと地図を開いて、いろんな国や都市の名前を覚えたりして。

その過程でいろいろ心奪われたり衝撃を受けたりするんですよ。子供なりに。 

そのうちのひとつがバングラデシュでした。

あの頃みんなバイオハザードとかポケモンとかミスチルとかサッカーでしたよ、興味あるのって。

もちろん自分もそういう世代なんでFF7やってました。廃人レベルでめっちゃやり込みました。

でも他の子らが興味持ってるものに関心がなく、かわりに興味を持ったのがバングラデシュ。

たぶんちょっと変な子だったんですよね。

エキゾチックな魅力に目覚めたのはこのときだろうと思います。

このときに生まれた「もっと知りたい」の気持ちから、中学に入って図書館通いが始まりました。

 

図書館通いを始めてから旅行ガイド見るのがすごく好きになったんです。

有名なやつ…地球の歩き方とかブルーガイドとかをよく読んでいたのですが、

改めていま振り返って調べてみると今の自分を形作ったのは同朋舎出版の本ばかり。

この出版社さん潰れちゃったんですかね…大変お世話になったんですよ。

同朋舎出版ってヨーロッパの地誌学や旅行ガイドを翻訳したものを出版してたと思うので、

中学生の目から見ても明らかに日本の旅行ガイドと比べて中身の濃さが違ったんですよ。

ベルテルスマンとかガリマール社とか、いやもうほんとに…すごく好きでしたね。

下記の本はもう絶版なのでさっきちょっと気になって調べてみたら、

amazonとかヤフオク、メルカリあたりでばちくそ高い値段で取引されててちょっと引きました。

マジかよ。少しでも昔買っといてよかったわ。

 

  • ビジュアルシリーズ世界再発見(10巻全部何度も借りて読んだ)
  • 旅する21世紀ブック 望遠郷シリーズ(大好きだから大人になってジュンク堂で買った)

写真や図版が豊富で、歴史から地理、経済やら抱える問題などが詳細に包括的に書かれている。

ぶっちゃけ今だったらそれ全部ウィキペディアで事足りるんですよ。

でもあの当時はそんな便利なものはなかったので、こういう本が本当に貴重というか、

自分の「もっと知りたい」を満たしてくれる素晴らしい書籍だったんです。

そういう本の読後ってたぶんネウロが謎食ったときの快感に近い感じなんだろうな。

 

 

話がそれました。

その後バングラデシュから始まった自分の興味はイスラム圏へと広がっていきます。

エジプト、トルコ、モロッコ…そしてスペイン。

そう、建築好きとか言っておきながらスペインに興味持ったきっかけガウディじゃないんです。

アルハンブラ宮殿とメスキータでした。いわゆるムーア建築。

ここからスペインに対する興味が広がっていきます。

高校に入って『週刊 世界遺産』をほぼ毎号買い漁り、有隣堂で建築史の本もたくさん買い…

そんなこんなで高校の第二外国語でスペイン語を選択していました。

こうやって字に起こしてみるとすげえ流れだなと自分でも思うんですよね。

ちなみに興味ある国や言語は同時進行で中途半端にかじってました。

スペインだけじゃなくていろんな国のことについて興味を持ってますけど、

どこもエキゾチックな国や地域ばかりです。やっぱりそういう所が好きなんでしょうね。

そういう地域のものや、それに触発された音楽もまたいいですね。

アランフェス協奏曲も素晴らしいですけど、チック・コリアの"Spain"はガチの名曲だと思います。

 

スペインに実際に行ってみた

 

高校の第二外国語でスペイン語を学んでから約15年。

新婚旅行にスペインとポルトガルを選びました。

籍入れる前だったので厳密には新婚旅行ではないんだろうなと思うんですけども、

休みが取りにくそうっていうスケジュールの都合で入籍前となったわけです。

で、このときの旅行は旅行会社を介さず自分たちで手配する個人旅行にしまして、

泊まるのもホテルじゃなくてほとんどが旅行者向けの短期のアパートメントでした。

そうやってなるべくたくさんの都市を巡ろうと計画を立てたんですよ。

そのときに行ったルートはこちら。

 

  • バルセロナ
  • マドリード
  • コルドバ
  • グラナダ(ここまでスペイン)
  • リスボン(ポルトガル)

 

ルートだけ見ると5都市も巡る贅沢な旅。

これだけの旅行にしてはツアーに比べたら自由度も高くだいぶ安くできたと思います。

レストランとかあんまり行かずに市場で食材買って自炊してましたからね。

あれこれ各都市のことを書きたいのですが、全部書いたらめっちゃ長くなってしまいます。

そのあたりの詳細はまた改めて書きます。旅日記みたいな形で。

今回は当店のイメージがなんで【アンダルシアの路地裏】になったのか、の話ですから…。

 

全てがフォトジェニック

 

最初にちょろっと書きましたが、アンダルシアというのはスペインの南部にある州です。

スペインと言って日本人が思い浮かべるのはサグラダファミリア。

でもあれがスペインかって言うと…たぶん向こうの人は違うって言うと思うんですよね。

スペインは独自色の強い各地域が集まってできた個性豊かな国。

その中でもバルセロナのあるカタルーニャはスペインから独立したがっている地域。

本来のスペインとされる地域はマドリードのあるカスティーリャ地方。

ガウディ建築をスペインの代表みたいに扱うのはたぶんどっちからも違和感持たれるのかなと。

「俺たちはスペインじゃねえ」と「あれはスペインの顔じゃねえ」の板挟み的な。

 

そういう意味合いではアンダルシアも本来のスペインじゃないんだと思います。

レコンキスタで最後の最後までイスラム勢力が残ったのがアンダルシアですから。

そういう歴史的な経緯もあってキリスト教世界にしてはあまりにイスラム色が濃い。

街並みや建築も北アフリカのマグリブとの共通点が多いです。

マグリブ諸国、特にスペインの対岸にあるモロッコに近いですね。

強い日差しに映える白い壁、入り組んだ路地、植生豊かで美しい中庭。

それってバルセロナ以外で日本人が思い浮かべるスペインの景色と同じなんですよ。

前項で書いた、自分が巡ったイベリア5都市のうちのコルドバとグラナダ。

この2都市がアンダルシアに位置します。

アンダルシア各地にある『白い村』と呼ばれる集落や都市。

有名なところですとミハス、フリヒリアナ、カサレスなどがあるのですが、

その中でも規模の大きいものがコルドバ旧市街です。

こんな感じでした。

 

 

いやもうね、ほんとにどこ見ても撮っても映えるんですよ。

日差しが強いから白い壁はより明るく、それが日陰の青白さとのコントラストを生む。

ヴィヴィッドな色味の赤、黄色、オレンジ、青もはっきりと際立ちます。

こんな色彩感覚の美しい街があったのか…という衝撃。

ちなみに行ったのが年末年始なので時期的に全く合わなかったのですが、

自然で言えば6月頃に行くと見渡す限り広がるひまわり畑もアンダルシアの絶景。

青い空に黄色いひまわりがずっと彼方まで続くのをいつか見てみたいんです。

2022年現在、青・黄色ってなるとどうしてもウクライナが浮かびますけどね。

 

こんな美容室があってもいいじゃない

 

そんな美しいアンダルシアの白い村。

やっぱりシンプルにかわいいんですよ。白い壁に赤い花。

差し色で入る青い窓枠、テント、植木鉢。

自分で店を開くならそういう感じがいいなって…スペイン行ってからずっと思ってました。

なにより白って清潔感あって明るくて美容室向きなんですよね。あと撮影のバックに使いやすい。

だから美容室って壁が白いこと多いんです。

壁が白くてガラス張りで天井ぶち抜いてスタジオっぽい感じの店とか、

壁が白くてウッディな造作家具や梁から多肉植物垂れてまーすみたいな店とか…

そういう美容室ほんとによくあるじゃないですか。

白にこだわりがなければ打ちっ放しコンクリートの店とか、

うっすいパステルカラーでフランスっぽい小物で飾られた店とか…

そういうデザインの美容室はわりとよく見かけると思うんですね。

スペインっぽい、アンダルシアっぽい店ってあんまりないだろうなと。

自分が好きってのもありますし、美容室の内装としてもかわいいし好感持てますし、

そういう感じで行きたいんです!って内装業者さんにお話したんですね。

ちなみに当店を素敵に造ってくれたのはこちらの内装業者さんです。

 

https://www.crea-d.com/

 

西宮にお店開くんですから西宮の業者さんですと安心でしたね。

特に関西人ですらない全くのよそ者の自分にとっては。

アンダルシアの白い村の画像を何点か送って「こんな感じにしたいんです」って、

自分がしたのはそれだけだったのですが…それだけですごくこちらの意向を汲んでくれました。

アンダルシアの路地裏らしく小窓もつけてくれて、店奥へ誘うような斜めの壁など、

すごくかわいくて一発で気に入ったので業者さんのほぼ原案通りで造ってもらいました。

これには本当に感謝しかありません。ありがとうございます。

 

こうやってとても気に入るデザイン案を作ってくださってうれしかったんですよ。

で、近隣の美容室をいろいろリサーチも兼ねてネットで見てたんです。

ホットペッパービューティーとか、Googleマップとかで。

どこのサロンさんもかわいかったりかっこよかったり、いいデザインのお店ばかりだなと。

こういうデザインもいいなぁとかいろいろ思いながら見てました。

「でもうちみたいなスペインっぽい、アンダルシアっぽい店はないでしょ」って、

そう思ってふんふふーんみたいな感じで地図をスクロールしてたんですよね。

 

 

(((( ;゚д゚))))

…これまでの人生でこの顔文字をこれほど使いたかった瞬間はこのときだけです。

完全にかぶっちゃったなと。

アンダルシアの白い村をイメージした美容室。しかも名前もちょっと似てる。

そんなお店が開業予定地から直線距離で500m以内。

…正直悩みました。

このまま話を進めていいものかと。

お向かいさんとかすぐ隣とかではないのでご挨拶には伺いませんでしたが、

コンセプトだだかぶりになってしまったミハスさんには申し訳ない気持ちがあります。

ただ、これまで書いてきた通り…自分がスペインが好きというのには思い入れがあります。

自分自身ずっとスペインが好きでそんなイメージの美容室を開きたいと思ってましたし、

店の名前も意味を込めて考えたものなので変えようという気にはなれず。

たまたま近くに同じようなイメージを好ましいと思っているお店があっただけだと…

これはものすごーい偶然なのだと言い聞かせてそのまま進めました。

 

それにしてもミハスさんはお店の前の植生が豊かで個人的に憧れています。

丸パクリする気は毛頭ないのですが、いずれうちの店の前も花や樹木が置けたらいいなと…

かわいいお花の咲くお店でいたいと…そういう思いでいます。

落ち着いて品の良い夙川の街に合うような、ちょっとした彩りを添えられたらいいな。

 

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